【レビュー】読売新聞社会部「あれから」取材班『人生はそれでも続く』を読んだ感想

【レビュー】読売新聞社会部「あれから」取材班『人生はそれでも続く』を読んだ感想


読売新聞社会部「あれから」取材班の『人生はそれでも続く』を読みました。

こんな読み応えのある連載があるなら、取ってる新聞、読売新聞に乗り換えようかな……。




感想・レビュー

さすがに元が新聞記事なだけあって、情報が整理されていて読みやすかった。タイトル的に「その後」の部分がメインなのかと思ったが、話題になった出来事や背景についてもしっかり書かれていた。1つの話は10ページ程度と短いものの、「情熱大陸」を見たときのような感慨があった。(情熱大陸も放送時間に対して取材期間が長すぎてびびる)

特によかったのは、どの記事にも写真が掲載されていたこと。出来事のあらましを把握してなんとなく頭の中に人物像ができてきたところで実際の姿を見せられ、イメージを覆される。ステレオタイプではない、自分と地続きの世界を生きる人々の表情がたまらなかった。

取り上げられている話題は「ああ、懐かしいなあ」と思うものもあれば、「そんな人いたっけ(そんなことあったっけ)?」と初耳なものもあった。「爆風で吹き飛んだ事件交渉人」などは全く知らず、現実にそんな漫画みたいなことが起こってるのかと驚いた。

音楽家の新垣隆さんは昔ニュースでよく目にしたが、ゴーストライター時代に作った曲は権利の関係で弾くことができないということは知らなかった。他の人でも、ニュースでは触れられていない情報がいろいろ書かれていて、みな人知れず背負っているものがあるんだなとしみじみ思った。大変なのが自分だけではないと知ると、ちょっとだけ救われる。


さいごに

最近はテレビを見ない人も増えてきて、今後は社会全体で共通して懐かしめるような「思い出」も減っていくのかなと思います。

この本は少し前に『「まさか」の人生』というタイトルで続編も出ているようですが、こうやって「あの人は今」的な話を楽しめるのも貴重な体験なのかもしれません。

僕の人生もまだ続くのか……。


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