【レビュー】早見和真『新! 店長がバカすぎて 』を読んだ感想

【レビュー】早見和真『新! 店長がバカすぎて 』を読んだ感想


早見和真さんの『新! 店長がバカすぎて 』を読みました。

やられた……。



感想・レビュー

まんまと著者の術中に嵌まってしまった。改めて読み返すと、いや読み返すまでもなくあちこちに伏線が張り巡らされていたのに、この展開は予想していなかった、と思った瞬間またひっくり返された。悔しさと気持ちよさが同居する、鮮やかな裏切り。1作目とは違った面白さを提示されて、いやが上にもすでに刊行が決まっている続編への期待が高まる。

前作に比べると、今作は仕事の大変さよりも本を読む喜びや書店員の存在意義など、ポジティブなことが多く語られていた気がする。作家や編集者よりも多くの作品に関わることができるのは書店員だ、という考えは特に胸に刺さった。僕は以前から体力さえあれば本屋さんでバイトしたいなと思っていたが、出版業界が下火でもやっぱり書店員の仕事はいいなと思った。

本筋からは外れるが、序盤から「ああ、コロナ禍だなあ」としみじみ思った。当時書かれた小説の多くからは「コロナに触れないのは不自然だ」という空気を感じるが、マスクの着用義務や飲食店の営業自粛などは今読むとかなり異様である。黙食とかソーシャルディスタンスとか、あの頃はそれが今後のデフォルトになって永遠に続くと思っていたが、コロナも完全に過去のものになった。意外とあっさり終わるよと、当時の自分に言ってあげたい。


さいごに

店長についての情報は徐々に増えてきていますが、新しい事実が明らかになればなるほど本性がわからなくなってきます。

頭がいいのは確かなんだけど……。

次の巻が最終巻なのかは不明ですが、シリーズが終わるまでにはすっきりさせていただきたいです。


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