働き始めてもうすぐ3年。派遣のいいところと悪いところ。

派遣で働き始めてもうすぐ3年が経つ。もし体調が万全で、普通に就活していたとしたら、絶対に選ばなかったであろう職種。最初は数ヶ月で辞めるだろうと思っていたが、なんだかんだ長く続いている。

「住めば都」ならぬ「働けば天職」と言うべきか。仕事の性質上、ストレスを感じる場面は多々あるものの、もう慣れてしまった。幸い職場の雰囲気はよく、仕事に行きたくなくて憂鬱、とはならずに済んでいる。


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「派遣」への不満

仕事を紹介してくれた派遣会社には感謝している一方、「派遣」としての勤務には不満や面倒臭さを感じる部分がある。

まず、世間的なイメージ通り、派遣は直接契約に比べて時給が低い。僕の職場も例に漏れず、派遣と直接雇用で基本時給に差があり、派遣だと交通費が支給されない。また、直接雇用だと給与計算の時間の区切りが1分単位なのに対し、派遣は10分区切りで、10分以下は切り捨て。さらに、直接雇用の場合は研修を受けてスキルを身に付ける(できる仕事を増やす)と時給がアップするのに、派遣だと基本時給のまま変わらない。

待遇の差に関しては、働き始めのころはそこまで気にしていなかったが、「同じ仕事をしているのに、隣の人ともらっている賃金が違う」という意識は心のどこかに常にあり、長く働いていると、段々と不公平感が強くなってくる。

給料以外で派遣にデメリットに感じるのは、何をするにしても手続きが複雑になることだ。たとえば、もし病気で仕事を休む場合、欠勤の連絡は派遣会社と勤務先の両方にしなくてはならない。有給休暇を取得する際は、いったん勤務先のシフトで休みを取った後、改めて派遣会社に有休の申請をする必要がある。日々の勤務でも、直接雇用の人は打刻端末に社員番号を入力するだけで出勤、退勤の管理がなされるのに、派遣は別途、派遣会社に提出する専用の出勤簿に印鑑(またはサイン)をもらわなくてはならず、ハンコを押す権限のある管理者が席を離れているとなかなか帰れないことがある。派遣だと時給が低いのはある程度覚悟していたが、勤務先と雇用主が別になることでいろいろと手間が増えることは、実際に働くまでわからなかった。


不安定さも裏を返せば

一般的に派遣のマイナス面として挙げられるのが、契約の不安定さだ。僕の場合も、契約は3ヶ月ごとに更新で、いつ契約が切られるかわからない。

しかし、契約が短いスパンで定期的に更新されるということは、逆に、もし自分が仕事を辞めたいと思ったとき、退職を願い出しやすいということでもあり、僕は派遣の良いところだと捉えている。仕事でつらいことがあっても、いつでも辞められると思えば気が楽になるし、職場での人間関係にも深く悩まなくて済む。

「安定」がないぶん「重さ」もない。気負いなく働ける心理的な身軽さこそが、派遣のメリットだと思う。


派遣ともさよなら?

僕は派遣としての立場を割と気に入っているのだが、派遣には「3年ルール」というものがあり、同じ職場で3年以上継続して勤務することができない。今の職場で働き続けるためには、勤務先と交渉し、直接雇ってもらう必要がある。派遣から直接の雇用に切り替わることを「転籍」と呼び、叶わなかった場合には、派遣会社が別の仕事を紹介するのが一応の決まりになっている。

すでに担当者には転籍の希望を伝えてあるが、返事はまだ来ない。果たして、この先どうなるのか。職場と派遣会社、どちらかに別れを告げる日が近づいている。


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