結城浩『数学ガール フェルマーの最終定理』を読んだ感想。

結城浩さんの『数学ガール フェルマーの最終定理』を読みました。前に読んだ『数学ガール ポアンカレ予想』と同じく、最初は何の関連があるのかわからないような話題が、最後に一つにつながっていく構成が素晴らしかったです。ここでも群論が出てくるのかと驚きでした。

『数学ガール』シリーズでは、数学的にかなり踏み込んだ内容でも、本の中で丁寧に定義や使い方を説明してくれているので置いてきぼりにならずにすみます。専門家じゃなくても数学好きならここまでならついてこれるだろう、という著者のさじ加減が絶妙です。

ちょうど並行して読んでいた『数学セミナー』のバックナンバー(2023年5月号)にもサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』を翻訳した青木薫さんの記事が載っていました。一般の読者にわかってもらうことを重要視する原作者と厳密さを求める数学者との間で板挟みになる翻訳者は大変だなと思います。

個人的には『数学セミナー』の記事は難易度が高すぎて、最後までたどり着けずに挫折するパターンがほとんど。でも、たぶん『数学ガール』や『フェルマーの最終定理』の書き方がうま過ぎるだけで、本来の数学ってそういうわかりにくいものなのかという気もします。専門的な内容をどこまで伝えるか、どうやって伝えるかは難しいですね。





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