【発表】第5回本棚大賞。2023年読んでよかった本ランキングトップ5。

【発表】第5回本棚大賞。2023年読んでよかった本ランキングトップ5。

2023年も残すところあとわずか。

というわけで、毎年恒例「本棚大賞」(第5回目)を発表します。(僕が勝手に作った賞です)

今年1年で僕が読んだ本の中から、よかった作品をランキング形式でご紹介。

気になる本があればぜひチェックしてみてください。


本棚大賞2023

第1位:777(トリプルセブン)

伊坂 幸太郎 (著)

今年の大賞は伊坂幸太郎さんの『777(トリプルセブン)』。

「殺し屋」シリーズの最新刊で、個人的にはシリーズで一番好きな作品でした。

段々と敵がせまって来てハラハラする展開と、伊坂さんならではの鮮やかな伏線回収。

普通なら単なる状況説明で終わってしまいそうなつなぎの場面も、気の利いたセリフ回しで楽しく読めました。

どの1ページを切り取っても面白い!

登場人物同士の会話の中で、シリーズの過去作品のキャラクターについての言及があるのがうれしかったです。

第2位:カササギ殺人事件(上・下)

アンソニー・ホロヴィッツ (著), 山田 蘭 (翻訳)

なぜか今さらになって読んだ、海外ミステリーの傑作。

「このミステリーがすごい! 」大賞など数々の賞に輝いている作品なので面白さは折り紙付きですが、実際に読むとやっぱり素晴らしかったです。

全体の構造としての仕掛けはもちろん、本格ミステリ部分の謎の完成度の高さに感服。「上質」という言葉がふさわしい、これ以上ないくらいよく練られたミステリーでした。

日本語版は上巻、下巻で非常にうまく切れていて、日本語に翻訳した翻訳者さんや編集さんはいい仕事するなと思います。(原作の洋書は1冊でまとめられています)

第3位:むらさきのスカートの女


レビューや表紙の絵から勝手にホラー系の内容を想像し、恐る恐る手に取った芥川賞受賞作品。

いざ読んでみると全く怖い話ではなく、むしろ手段を選ばない語り手の必死さは滑稽で、何度も笑みがこみ上げてきました。

しかし、語り手の状況を冷静に考えると、社会的孤立や貧困など、いろんなテーマが見え隠れ。

悲愴感なく前に進んでいるように見える語り手が、実は苦境の底で無理をしているのかもしれないと想像すると、背筋がヒヤッとします。

楽しく軽快に読めるからこそ、何か裏に隠されたメッセージが込められているのではないかと疑ってしまう、不思議な作品でした。

第4位:898ぴきせいぞろい! ポケモン大図鑑(上・下)


ジャンル不問なので、第4位にはポケモン図鑑をランクインさせました。

新聞などの本のランキングにこういう文芸書以外の書籍が入っているとなんだか微妙な気持ちになりますが、自分のブログでやるならまあいいでしょう(笑)


こちらの図鑑には最新のスカーレット・バイオレットのポケモンは載っていませんが、ダイヤモンド・パールで時が止まっていた僕には十分。

ページをめくると半分くらいは知らないポケモンなのに加え、キョダイマックスや地方ごとの変化など、単純に数が増えた以上にいろんな方向に進化を遂げていて、「ポケモン」そのものの世界がどんどん拡張されているのを感じました。

おなじみのポケモンでも、ニョロモのぐるぐる模様が内臓が透けて見えているものだとか、ゴーリキーが身に付けているのがパワーセーブベルトだとか、ブラッキーが毒の混じった汗を出すとか、初耳の情報が盛りだくさん。

パラパラめくって眺めているだけでも新しい発見があって楽しいです。


ちなみに、この図鑑の特徴は、特定のゲームのバージョンに紐づけられていないこと。

分厚いのでイラストの模写をするときはページを開いた状態で保つのが大変ですが、余計なデータがなくて見やすく、掲載が五十音順でポケモンが探しやすいのも気に入っています。

第5位:Diary of a Wimpy Kid: Diper Överlöde(洋書)


毎年読んでいる『Diary of a Wimpy Kid』シリーズの17巻目。

今回はRodrickの率いるバンド、「Löded Diper」の奮闘が取り上げられていて、相変わらずのくだらなさに笑いました。

洋書は『Klara and the Sun』や『Think Again』も読みましたが、現実社会があまりにも重苦しい空気だと、これくらいバカバカしい話の方がちょうどいいですね。

油断していたら、最後にはきちんと考えられたオチが待っているのも素晴らしいところ。

殺伐とした世の中でも、グレッグの世界では平和な時間が流れていて、なんだか安心します。


「Löded Diper」は一見ふざけているようだけれど、持ち歌がたくさんあり、一応楽器も弾けるので、何気にすごいバンドなんじゃないかという気がします。

また、作中でメンバーが訪れた「the Legends of Yesteryear convention」はいかにもアメリカらしいイベント。日本でも開催したら盛り上がるだろうなと思いました。


過去の本棚大賞

参考までに過去の本棚大賞(第1回~第4回)の記事へのリンクを以下に貼っておきます。

こうやって記録に残しておくと後から振り返って楽しめるので、みなさんもぜひ自分なりの「○○賞」を作ってみてください!


関連記事:【発表】第1回本棚大賞!2019年読んでよかった本ランキングトップ5。

関連記事:
【発表】第2回本棚大賞。2020年読んでよかった本ランキングトップ5。

関連記事:【発表】第3回本棚大賞。2021年読んでよかった本ランキングトップ5。

関連記事:【発表】第4回本棚大賞。2022年読んでよかった本ランキングトップ5。


さいごに

毎年12月になると「あっという間に1年経ったなあ……」と思いますが、2023年は今もまだ始まったばかりのような感覚が消えません。

2024年は、パリオリンピックやアメリカの大統領選など大きなイベントが盛りだくさん。果たしてどんな年になるのやら。

せめて読書くらいは落ち着いてできる、平穏な年になることを願います。


関連記事:【比較】AmazonのAudible(オーディブル)とKindle Unlimitedはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットまとめ。