【発表】第3回本棚大賞。2021年読んでよかった本ランキングトップ5。

【発表】第3回本棚大賞。2021年読んでよかった本ランキングトップ5。


今年もいよいよ残りわずか。

というわけで、毎年恒例の読んでよかった本ランキングトップ5を発表します。

その名も、本棚大賞(第3回目)

いつものことながら、ジャンルは不問。

完全に僕の個人的な好みで選ばせていただきます。


本棚大賞2021

第1位:Where the Crawdads Sing(洋書)

Delia Owens (著) G.P. Putnam's Sons (2018/8/14)

2021年の本屋大賞翻訳部門で大賞を受賞した『ザリガニの鳴くところ』の原著です。

Kindle版が安かったので読んでみたのですが、物語の重厚さに圧倒されました。


湿地帯の湿度やざわめきが肌に直接伝わるような情景描写。

犯人は誰なのか、徐々に手掛かりが明らかにされるミステリ的な構成。

ちょっとした証言で有利、不利が逆転する法廷での論戦。


いろんな要素が詰まっていて、ページ数以上の超大作に感じられました。

すでに世間的にもベストセラーなので、ここで取り上げるのもなんだかな、という気はしますが、僕としても文句なしの傑作です。

英語は若干難しいけど、辞書を引きまくってでも読む価値あり!


関連記事:【洋書】Delia Owens著『Where the Crawdads Sing』を読んだ感想。孤独に光る生命は眩しい。

第2位:か「」く「」し「」ご「」と「


20代も後半になると、青春をテーマにした小説には段々嫌気が差してきます。

しかし、それでも許せてしまったのが、この作品。

登場人物5人のキャラの書き分けが見事で、能力の設定もよく練られていました。

一人称での心理描写をここまで深くかつ自然体で掘り下げられるのは、住野さんの天賦の才なのか?

以前大賞に選んだ『君の膵臓をたべたい』と同じかそれ以上に引き込まれる小説でした。


第3位:AI vs. 教科書が読めない子どもたち

新井 紀子 (著) 東洋経済新報社 (2018/2/2)

理論や期待ばかりが先行する人工知能(AI)の現実を教えてくれた一冊。

実際に行われた「東ロボくん」プロジェクトを通して、AIの本質的な長所・短所をより明確に捉えることができました。

いろいろ読んだAI関連本の中で、一番得るものが大きかったです。


文章の意味は理解できなくても、確率・統計という武器だけで十分強いAI。

最近、自動で小説を生成する「AIのべりすと」という人工知能が発表され、紡がれる文章のレベルの高さに驚嘆しました。

読解力を持つ人間として、自分に何ができるのか、改めて考えさせられます。


関連記事:シンギュラリティは来なくてもAIは強い。新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んだ感想。

第4位:アゴを引けば身体が変わる


できれば中学生くらいまでに出会っておきたかった健康本。

書いてあることを意識して数日で体調(主に目とおなか)に明らかな変化が現れ、喜びを通り越して言葉を失いました。

まさか、頭を前に出さず「あごを引く」ことがそんなに重要だとは……。

読みながら体を動かしてみて、「いい姿勢」がどんな姿勢なのか、猫背を防ぐにはどうすればよいかが体感としてわかりました。

僕の場合、紹介されていたトレーニングやストレッチをやらなくても、前半部分の内容を心に留めておくだけで効果絶大。

Kindle Unlimitedの読み放題で読んだのですが、紙の本でも購入して、親きょうだいにすすめようと思います。

第5位:笑えて泣けてするする頭に入る 超現代語訳 幕末物語


幕末を題材にした漫画やドラマがやたら多いので、元ネタ(史実)を少しは知っておこうと思って読みました。

当初の目的はただの勉強。しかし、エンタメとしての面白さが抜群で、途中からは次の展開を楽しみにページをめくっている自分がいました。

本のタイトルに偽りなし。

西郷隆盛や吉田松陰、坂本龍馬など、今まで「なんかすごい人」くらいの認識しかなかった偉人たちが、「幕末」という物語を盛り上げる血の通ったキャラクターとして頭に刻み込まれました。

ごちゃごちゃした出来事や人間関係を整理し、軽快な文章に落とし込む著者の手腕には脱帽です。


過去の本棚大賞

参考までに、過去2回の本棚大賞の記事へのリンクを以下に貼っておきます。

正直、3回目まで続くとは思ってなかった(笑)


第1回(2019年)
【発表】第1回本棚大賞!2019年読んでよかった本ランキングトップ5。

第2回(2020年)【発表】第2回本棚大賞。2020年読んでよかった本ランキングトップ5。


さいごに

ブログの読書記録を振り返ると、たった1年の間でも「こんな本読んだっけ?」みたいな本がたくさんあって驚きます。

きっと、そうやって記憶の表層から消え去った作品たちが、無意識の領域から僕の思考を支えてくれているのでしょう。

また来年もいろんな本を読んで、豊かな自分になれますように!


関連記事:【比較】AmazonのAudible(オーディブル)とKindle Unlimitedはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットまとめ。