年の初めに「今年は100冊本を読む」と宣言したら、意外とあっさり仕事がみつかり、そこそこ忙しくなった2020年。
途中で方針転換して冊数にこだわるのはやめたものの、たくさんの素晴らしい本と出会えました。
この記事では、僕が今年読んだ本の中から、とくによかった本を「本棚大賞」としてランキング形式で発表。
去年に引き続き、第2回目となる企画です。
いろいろ大変だった2020年でしたが、最後は良作を振り返って、気持ちよく幕を閉じたいと思います。
本棚大賞2020
第1位:読書の価値
読書の価値 (NHK出版新書) [ 森博嗣 ]
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今年のグランプリは、僕の読書観に衝撃を与えた、森博嗣さんの『読書の価値』。
「アンチ速読」系の本はこれまでいくつか読みましたが、森さんはそこからさらに踏み込んで、
・小説よりノンフィクション
・本の感想を書く意味はあるのか?
など、本質を突く独自の見解を多数述べられていて、「本を読む」という行為について深く考えさせられました。
この本のおかげで、普段の読書をより楽しめるようになり、出会えてよかった一冊です。
自分は何のために本を読んでいるのか、いつの間にか見失っていた大切なものを取り戻すことができました。
ちなみに、森さんの言葉を受けて、もうブログに本の感想を書くのはやめようと思ったのですが、きりが悪かったので、2020年まではとりあえず継続。
来年以降どうするのかは、まだ迷い中です。
このブログ自体の「価値」も一度しっかり見直すべきかもしれません。
第2位:イラストで読む 印象派の画家たち
イラストで読む印象派の画家たち [ 杉全美帆子 ]
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かわいい画家たちのイラストに一目惚れして購入した一冊。
それぞれの画家の生い立ちや、絵画に対する価値観の変化が楽しく解説されていて、なんとなく敷居が高かった美術の世界に親しみがわきました。
印象派の画家たちは、一人ひとりが孤立して絵を描いていたわけではなく、互いに支え合い、協力して世間の評価を勝ち取ったのが素敵です。
単なる「有名な絵」として認識していた作品も、制作された背景を知ると細かい部分まで鮮やかに色づいて見えるから不思議。
時間に余裕ができたら、美術館に行きたいなあ……。
第3位:Harry Potter and the Philosopher's Stone(洋書)
「ハリー・ポッター」シリーズの1作目、『ハリー・ポッターと賢者の石』の英語版です。
映画は吹き替え版で何回か見たはずですが、英語の文章でじっくり読むといろいろ新しい発見がありました。
「魔法道具は英語だとこう呼ぶのか」とか「このシーンは映画にはなかったぞ」とか、ずっと興奮しっぱなし。
結末が分かっているのに、こんなにわくわくできるとは……。
J.K. Rowlingさんの英語はリズム感があって読みやすく、先が気になる構成はさすが。
シリーズ通して児童書にしては分厚いですが、世界中の子どもたちが夢中になるのもわかります。
現在、僕はAmazonのKindle Unlimitedを利用して、洋書でのシリーズ読破に挑戦中。
無事にハリーの卒業を見届けられるかな?
第4位:ホワイトラビット
ホワイトラビット (新潮文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]
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第4位は、世間的にもベストセラーになっている伊坂幸太郎さんの『ホワイトラビット』。
正直そこまで深みのある話ではないものの、「これぞエンターテイメント!」というべき読む喜びに満ち溢れたミステリーでした。
伏線と回収、視点の切り替えなど、伊坂さんの「読者を気持ちよく騙す」技術が、いつも以上に切れ味抜群。
「らしさ」全開のままで、まだ新しい魅せ方ができるんだなと感心しました。
ちなみに、僕が一番好きな伊坂幸太郎作品は、『ゴールデンスランバー』。
こればっかりは、さすがに覆りそうにありません。
第5位:ネットワークがよくわかる教科書
ネットワークがよくわかる教科書 [ 福永 勇二 ]
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実用寄り過ぎて本のランキングに入れるのはどうかと思いましたが、めちゃくちゃ役に立ったのでランクイン。
ネット周りの技術について体系的に説明されていて、今まで上辺だけの知識でごまかしてきた部分がやっと腑に落ちました。
理系の解説書は、易しすぎて物足りないか、難しすぎてちんぷんかんぷんかのどちらかの場合がほとんどなので、こういうバランスの取れた良著は貴重。
僕が働いている派遣先はネット関連の企業で、実際の業務上でもこの本で得た知識にたびたび助けられています。
もしネットに不慣れで困っている後輩がいたら、迷わずおすすめしたい一冊です。
さいごに
ジャンル不問で本を選んでいたら、非常に個性豊かなランキングになりました。
前回も同じ感じでしたが、やっぱり自分で自由に順位をつけるのは楽しいですね。
来年もまた素晴らしい本に巡り合えますように!