大学時代につけていた本23冊分の読書記録。自分で書いた感想なのに、今とは視点が違って新鮮。

大学時代につけていた本23冊分の読書記録。自分で書いた感想なのに、今とは視点が違って新鮮。


部屋の荷物を整理していたら、大学時代につけていた読書記録が出てきました。

23冊(ノート3分の1くらい)で中断していてなんとも中途半端ですが、そのまま捨てるのは惜しいところ。

というわけで、ブログに書き残してから処分することにしました。

以下、僕が大学生のときに記した本の感想です。(補足として現在の僕のコメントも書いています)


完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯

内容・感想

ボビー・フィッシャーの一生について、チェス以外のことも含めて詳細に書かれていた。

彼は確かに天才だが、チェスの研究をひたすらに行ってきたのが強さの基礎となっていることが分かった。

チェス以外の点において、反ユダヤ主義や反米的な考えへのこだわりは異常で、なぜそこまで固執するのか不思議だった。

ただ、どんな時にも支えてくれる人がいて、彼はそれだけ魅力的でもあったことが感じ取れた。

日本で逮捕されていたことには驚いたが、それ以上に日本人と結婚していた(正式にではなくても)ことはもっと意外だった。

海外の人々にとって、日本という国の存在が小さくないことを改めて感じた。


※補足
一時期チェスができたらかっこいいなと思って、定石などを真面目に勉強していました。最高レベル99のコンピュータ相手だと、レベル20くらいまでなら勝てます。


「ピアノ力」をつける!

内容・感想

この本で著者がもっとも言いたかったのは、技術を身に付けることよりも音楽を楽しむことが、ピアノを続ける一番のコツだということだと思う。

内容はお父さん世代に向けたものだが、自分にもきっと当てはまるだろう。

最近ピアノを始めて、楽譜を見て曲を弾くことの難しさを痛感した。うまく弾くことを目的とすると焦りが生まれて躓いてしまう。

自分の奏でる音に注意して心を込めて弾けば、少しは楽になるかもしれない。

どんな音を出したいかを考えながら、練習を続けていきたい。


※補足
昔、きょうだいがピアノを習っていて、家に電子ピアノがありました。懐かしい……。


Diary of a Wimpy Kid: The Long Haul (Book 9)

内容

Gregは夏休みに家族みんなで旅行に出かける。もちろん計画通りにはいかない。

豚やカモメに混乱させられ、プールではロッカーのカギをなくしてしまう。

モーテルの他人の部屋に忍び込むなど犯罪まがいのことをしながら、なんとか家へとたどり着く。

感想

いつもは学校の話が多いが、今回は1冊丸ごと車での家族旅行についてだった。

最初からうまくいかなさそうなのがHeffley一家だが、ここまでひどくなるとは思わなかった。

モーテルの他人の部屋を荒らしたことにも驚いたが、Mannyがスペイン語を話せるようになるとは想像もつかなかった。

豚が次回作でも登場するのか楽しみだ。


※補足
大学生のころは図書館で”Diary of a Wimpy Kid”シリーズを借りて読むのが楽しみでした。子ども向けの洋書ですが、イラストが面白くて今でも大好きです。



アダルト・ピアノ―おじさん、ジャズにいどむ

内容

41歳から8年間ピアノを続けている著者が、自身の体験を交えながらピアノについて語る。

ピアノを弾く中年は女性にもてるのか、練習は基礎からやるべきかなど、著者独自の理論が展開される。

感想

中年からピアノを始めて、人前で演奏したり、曲をアレンジしたりしている著者はすごいと思う。きっと大変な努力をしてピアノを弾きこなせるようになったのだろう。

ただ、仕事中にピアノのことを考えられるほどピアノが好きなことがよく伝わってきて、練習も苦ではないのだと思われる。

著者は中年がピアノを始めるのにバイエルやハノンは不要だと述べている。自分はまだ20歳なので、基礎を身に付けるにはまだ間に合う。

中年になるころには自在にピアノを操っているはずだと信じて練習に励みたい。


※補足
この本を読んだ頃は独学で真剣にピアノを頑張っていました。ただ、お察しの通り、半年くらいで挫折してます(笑)


Nutrition: A Very Short Introduction

内容

脂質や炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養について解説。摂取し過ぎたり、不足したりすると、それぞれどんなことが起こるのかが細かく述べられている。

また、国による目安やサプリメントの是非についても網羅されている。

感想

病名などは英語だとよくわからなかったが、栄養素は見慣れた単語が多く、比較的読みやすかった。

タンパク質の3分の1が野菜や果物、穀物から摂取されていることには驚いた。無理に肉を食べなくてもよいことが分かり安心した。


※補足
近所にある図書館には”A Very Short Introduction”シリーズが大量に置いてあります。コロナが落ち着いたらまた借りに行きたいなあ……。


歯は磨かないでください

内容

日本人の口腔ケアの問題を指摘しながら、歯や歯肉の正しい手入れの仕方を解説。

口の中から細菌を除去する「プラークコントロール」という考え方で手入れをする大切さを強調している。

感想

以前にフロスは買っていたものの、うまく使えずに放置していた。本屋でこの本を見かけて、もう一度歯の手入れについて真剣に考えてみようと思った。

内容は当たり前のことも多かったが、わかりやすくて誇張もなく、手入れの重要さがしっかり伝わってきた。


※補足
個人的にフロスはめちゃくちゃ大事だと思っています。慣れるまでは時間がかかったけど、今では鏡を見なくてもできるくらい完璧にマスターしました。



ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く

内容

ビタミンCは副作用がなく、がんや風邪を治す力を持っている。大量に摂取すれば経口であっても効果はある。

ビタミンCは安価で儲けにならないため、その効能については批判が多かった。しかし、根拠は示されており、ビタミンCの摂取により人生の質の向上も見込まれる。

感想

この本を本屋でパラパラ見て、ビタミンCのサプリを飲むことを決めた。実際に効果があるかはまだわからないが、副作用がないというのはありがたい。

今は特にビタミンCブームというわけでもないので、メディアにも圧力がかかっているのかもしれない。

本当に大切なことは簡単には教えてくれないということか。


※補足
この本を読んでからいろんなサプリを試しましたが、ビタミンC単体ではそこまで効果はありませんでした。個人的にはビタミンB群やミヤリサン(整腸剤)の方がよく効きます。

体質にもよると思いますが、どんな栄養素も大量摂取は避けた方が無難。サプリを日常的に飲むのなら、目安量の範囲内にとどめましょう!


おいしいハンバーガーのこわい話

内容

ファストフードは今ではとても身近な存在になっているが、その裏側はあまり知られていない。

本書では、ファストフード店のシステム、商品の材料、そこで働く人々について述べられている。

感想

ファストフードは体に悪いというのはだいたい知っていた。しかし、その経営システムにも問題があることには驚いた。

バイトといえばマクドナルドというイメージが強かったが、マックジョブという言葉があるほどその労働環境がひどいことを知った。

国や政府はもっと強い姿勢で店を規制してほしい。


※補足
当時はいつか潰瘍性大腸炎が治ったら、モスバーガーやケンタッキーを食べようと思っていました。まさか症状が悪化して、診断もクローン病に変わるとは……。

まだ寝たきり入院地獄を知らない、平和な時代の感想です。



僕たちは世界を変えることができない。

内容

医大生の著者は、150万円あればカンボジアに学校が建てられることを知る。

彼は友人とともに行動を起こし、資金を集めたり、実際にカンボジアに視察に行ったりする。

本書では、著者の体験をカンボジアの人々の写真とともに紹介している。

感想

タイトルに惹かれて手に取ったが、内容も素晴らしかった。

医大生として勉強をしながらイベントを立ち上げ、実際に学校を建てられるなんてすごいことだ。

たしかに、どれだけ自分が努力をしても、世界は変わらない気がする。

でも、何かをしないと、自分だけでも変わらなければいけないと思う。


素直に生きる100の講義

内容

すべてがFになる』の作者、森博嗣が一般の人々の考え方や癖を冷静に分析する。作者の人生観や仕事観をまとめた100のエッセイを収録。

感想

この本を読んで作者の考え方がよく分かった。周囲をよく観察し、常に根拠を持って考えているからこのような本が書けるのだと思う。

作者の趣味、思考も随所に現れていたが、ブレない考え方を持っている人だと感じられた。

本を読んで納得するのではなく、自分の考えを構築しなければこうはなれないだろう。


※補足
森博嗣さんの本は、毎回読むたびに価値観が揺さぶられます。小説よりエッセイの方が好きです。



勝ち続ける意志力

内容

勝ち続けるために必要なのは絶対的な努力だ。自分のしてきたことに自信があるから勝ち負けに左右されずに成長し続けることができる。

成長することに楽しみを見出すことができれば、努力を継続することが可能になる。

感想

プロゲーマーという仕事はとても特殊なものだと思う。チェスやスポーツと異なり、新しいゲームが登場するたびにルールが変わり、一から学び直さなければならない。

このような、絶対的な強さを維持するのが難しい世界で勝ち続けるには相当な努力が必要だろう。

安易な道を選ぶのではなく、自分で本質を見極めようとする姿勢は、ゲームに限らず大切なことだ。

10を超えたその先にあるものを求める姿を見習いたい。


ポケットに外国語を

内容

ロシア語を中心に言語を学び、教師や文筆家として活躍してきた著者のエッセイ。

感想

とても読みやすく、著者の言語への愛が感じられた。

やらなくてもいいのにどうしても学んでみたくなる外国語。英語だけでなくいろんな言葉を見てみたいと思った。


※補足
僕は大学での第二外国語にスペイン語を選びました。スペイン語は英語に比べて発音が簡単で勉強しやすかったです。楽しくて、スペイン語検定4級まで取りました。


億男

内容

3000万の借金を残して消えた弟のため、一男は妻と娘と離れ、昼夜働いていた。

そんなとき、宝くじで3億円が当たる。使い道を相談しようと、一男はかつての親友で、今は大金持ちの九十九を訪ねる。

お金と幸せとの関係について考えさせられる話。

感想

ラストで一男の家族が一緒になれなかったのでもやもやした。お金があれば結局うまくいくという話ではなかったのはいいかもしれない。

とりあえず、今お金はそんなに持っていないので、手に入ってから読むとまた違った感想が得られるのかもしれない。


世界は分けてもわからない

内容・感想

最初の数章を読んで、一つ一つの話につながりが見いだせず、ただの科学エッセイのようなものかと思った。

しかし、最後まで読むと、それまでの話が全てつながっていたことに気づき、ぞくっとした。

文章も読みやすく、科学的要素の入り具合もちょうどよかった。福岡さんはすごい人だなと感心した。

この世界は常に止まることのない動的な平衡状態にある。僕たちはその一部を切り取ることでしか世界を認識できない。

分けることで見えなくなるものも多いが、それを想像力で補うことができるのが人間だと思う。


アイネクライネナハトムジーク

内容・感想

最近小説を読んでいなかったので、伊坂さんの文章を読んでホッとした。読んでいて心地よく、時々あるサプライズが楽しかった。

登場人物はだいたい20代後半で、どれも恋愛絡みの話だった。最後の章でそれまでの話がつながりを持っていて、それがわかるたびにうれしかった。

最後の章が書下ろしだというのがすごい。


歯はいのち!

内容

咬合をよくすることで身体や心の不調は改善するとして、以下のような方法を紹介。

・頭頂部のもみほぐし
・手足の中指の付け根のもみほぐし
・口の中での舌回し

感想

普段からよく噛むように心がけているが、その他にもやれることがたくさんあることが分かった。

鏡で見てみると、上下の咬合がかなりずれていたので、これが治ればいろいろよくなりそうな気もする。

歯は目にも影響するとも書かれていたので、歯を大切にしていきたい。


※補足
歯に関する本はやたらにたくさん読みました。今では歯磨きはもちろん、食後のうがいと毎日のフロスが習慣になっています。



健康男

内容

著者はニューヨーク在住で、妻と3人の子供を持つ40代の男性。

世間に溢れるさまざまな健康法を、実践者や専門家の話を聞きながら試していく。

感想

さまざまな健康情報が紹介されていたが、どれが正しいのかを見極めるのは難しいなと思った。実践してよいと思うものを続けていくやり方が一番だろう。

日本とアメリカで共通のところも異なる部分もあり面白かった。


困ってるひと

内容

著者はビルマの難民について研究する大学院生。ある日突然、稀な難病が発症してしまう。

検査を受ける苦労や病院での生活をリアルに描いている。

感想

読んで一番すごいと思ったことは、ひどい病気に悩まされながらも、著者がユーモアにあふれた文章を書けることである。

さすがにビルマの難民のために活動してきただけあって、どん底にあってもエネルギーに満ちている。

難病に対する社会的な支援が不十分なのは知っていたが、著者のような重い症状でも書類集めや手続きを自分でしなければならないのは、やはりおかしい。

制度はあてにならないので、身近な人同士で支え合っていけるような環境を作っていかなければならない。


職業治験

内容

就職した会社を2か月で辞め、その後7年間治験だけで生計を立ててきた著者が、治験の裏話を実体験とともに語る。

感想

治験だけで生活していくことが可能だということにも驚いたが、デメリットがかなりあるようだった。

年を取るとどうしても治験に参加しにくくなってくるので、将来設計をきちんとしておかないといけない。

副作用が怖いので、自分なら絶対にやらないが、お金目当てで参加する人は多いだろう。

こんな危ないものに手を出さずに生活できるよう、仕事を見つけて働きたい。


牛乳には危険がいっぱい?

内容

アメリカでは牛乳の宣伝が盛んに行われ、「牛乳は体にいいもの」というイメージを多くの人が抱いている。

しかし実際には、牛乳はアレルギーや難病の原因になり、カルシウム源としての役割にも疑問が持たれる。

牛乳は子牛の飲み物であり、人間が飲むべきものではない。

感想

牛乳を飲んでおなかの調子が悪くなるのは自分のおなかが弱いからだと思っていた。

しかし、日本人の大部分が乳糖不耐症であることがわかり、なぜ皆平気で牛乳を飲んでいるのだろうかと思った。

乳幼児が牛乳により病気になったり死亡したりしていることには驚いた。乳幼児にこれほど影響があるのならば、成長した子供や大人にもそれなりに害があることは当然だ。

にもかかわらず、給食で毎日牛乳が出されるのは異常だ。カルシウムは他の食品から摂取すればよいので、牛乳はせめて選択制にすべきだと思う。


ニューヨークを探して

内容

ニューヨークで暮らす著者が、ニューヨークの日常の風景を記したエッセイ集。

感想

ニューヨークは人が忙しなく動いているイメージがあったが、この本ではニューヨーカーの優しい一面が描かれていた。

朝の静かな図書館で読んでいると、ニューヨークのカフェにいるかのような気分になった。

公共の場で他人に荷物番を頼む習慣には驚いたが、互いに信頼し合えるというのは素晴らしい。

僕もよく図書館でトイレに行くとき困ることがあるので、大学でも流行るとうれしい。


※補足
この先もし健康な体を取り戻すことができたら、一度はアメリカに行ってみたいです。

10年後か、20年後か、いつかチャンスが巡ってこないかな……。


そして、僕はOEDを読んだ

内容

著者は読書が趣味で、たくさんの辞書を所有している。この本は彼がOED(Oxford English Dictionary)という辞書を読んだ記録である。

感想

辞書を読むのは大変だということはわかっているが、OEDという巨大な辞書では想像もつかない。

視力が落ち頭痛がしても辞書を読むことをやめない著者は、究極の読書家だと思う。

この本から、実用的な目的のために辞書を読破することはまず無理であることを悟った。


※補足
僕もポケット英英辞典は読みましたが、OEDは次元が違いすぎますね。やっと読み終わったと思ったら、もう次の版が出版されてそう。

内容

男女関係や包茎、風俗など男が誰しも悩んでいそうなことについて解説。

感想

女の人なのに、よくこんな本が書けるなと思った。もてない人のためのサバイバル戦略や包茎についての話は男でも深入りできないような内容だった。

もてないことを認めることは社会的にも個人レベルでも考えなければならないと思うと少し悲しい。

とりあえず包茎手術だけは絶対したくないと思った。


※補足
なぜこんなきわどい本を手に取ったのかは謎です。あと、幸いなことに、僕は包茎ではありません。(無駄な情報でごめんなさい)


さいごに

昔の自分の文章はボキャブラリーが貧弱で、書き写していて苦笑しました。

今でも文章は拙いですが、多少はましになったと思います。


また、この記事を書くために本を一通り検索してみたところ、電子化されておらず、中古でしか手に入らない本が何冊もありました。

大学時代は学校や市の図書館で本を借りることが多かったのですが、当時の僕の本のチョイスはだいぶマイナーだったみたいですね。

本屋さんにもKindleにもない本が眠っていると思うと、図書館がより一層尊い場所に感じられます。