【比較】Audible(オーディブル)で聴けるユヴァル・ノア・ハラリの洋書はどれがいい?3作品の概要と僕の感想。

【比較】Audible(オーディブル)で聴けるユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)の洋書はどれがいい?3作品の概要と僕の感想。


Audible(オーディブル)の洋書の中でずっとベストセラーになっているのが、ユヴァル・ノア・ハラリさんの本。

この記事を書いている時点では、以下の3作品が購入可能です。

Sapiens
Homo Deus
21 Lessons for the 21st Century

僕は日本語訳を読んでいないこともあり、気になってすべて聴きました。

今回は、それぞれがどんな内容なのかを、僕の感想とともに紹介します。


Audible公式サイトはこちら


3作品の比較と感想

Sapiens

Sapiens』は、なぜ他の種ではなく人類が繁栄したのかを、歴史を振り返りつつ独自の視点から考察した本です。

さまざまな歴史的事象がホモ・サピエンスの特性と結び付けて語られていて、「そんな見方ができるのか」と感心する箇所がたくさんありました。

個人的には、今回取り上げた3作品の中で一番のおすすめ

誰もが知っている歴史を解釈一つでここまで面白くできるのは、素晴らしい才能だと思います。


ちなみに、この本のナレーションはDerek Perkinsさんで、他の2作品も同じです。

低くて落ち着いた理知的な声で、まるで作者本人がしゃべっているようでした。

再生時間は15時間17分です。

Homo Deus

『Sapiens』が主に過去にスポットを当てているのに対して、『Homo Deus』は未来の話。

AIやバイオテクノロジーの発達によって社会がどう変化していくのかを予想しています。


リアルだったのが、

・人間の意思決定はAI任せになる
・才能や健康を後天的に底上げした"super human"が登場する

といった筋書き。

最初は「さすがにそこまでは……」と反発気味に聞いていたのですが、詳しく説明されると現実として起こりそうで恐ろしくなりました。


ただ、この本はあくまでも未来の話なので、著者も断定はせず、最後は読者への問いかけで終わっています。

技術の進歩は本当に喜ばしいものなのか、深く考えさせられる内容でした。

再生時間は14時間54分です。

21 Lessons for the 21st Century

ここまで過去、未来ときて、3作目の『21 Lessons for the 21st Century』は「現在」がテーマ。

今の世の中がどうなっているのか、社会をよりよくするにはどうすべきかを、科学、政治、宗教など様々な観点から論じています。

前の2作品とかぶっている内容もありますが、そこからさらに発展して、技術の進歩や思想の変化が私たちの生活とどうかかわってくるのか、より具体的に示されています。


繰り返し述べられていたのが、人間の精神はアルゴリズムの賜物であるという考え方。

人生の意味や自由意思の存在をはっきり否定されるのは、ちょっぴりショックですね。

再生時間は11時間41分で、他の2作と比べるとちょっと短めです。


日本語訳より洋書がお得

ハラリさんの本はどれも文章自体はわかりやすいですが、使われている単語のレベルは高め。

英語のリスニングが苦手な人には、なかなか厳しいかもしれません。

しかし、お金の面で考えると、日本語訳より英語版の原書を購入した方が圧倒的にお得です。

実際に値段(2020年3月時点)を比べてみると、まず洋書は以下の通り。

Sapiens(4200円)
Homo Deus(4100円)
21 Lessons for the 21st Century(3400円)

それに対して、日本語訳の価格がこちらです。(日本語訳の『ホモ・デウス』は、そもそもオーディオブック版がありません)

サピエンス全史 上(3500円)
サピエンス全史 下(3500円)
21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考(4000円)


ポイントは、『サピエンス全史』の日本語訳が上下の2冊に分かれている点。

Audibleのコインを使って本を購入する場合、洋書ならコイン1枚で済むのに対し、日本語訳だと2枚のコインが必要です。

言い換えれば、洋書は日本語訳の半額で買えるわけですね。

分厚い洋書と違って音声なら気軽に聴けるので、この機会にぜひ英語で挑戦してみてください。


さいごに

ハラリさんの本はボリューム的にも内容的にも充実していて、コイン1枚で聴いていいのかと思うくらい満足感がありました。

これだけの密度の高さで3作品も書けるのはすごいですよね。

また何度も聴き返して、存分に楽しみたいと思います。