英語の発音の本を一冊選ぶなら『日本人のための英語発音完全教本』がおすすめ。情報量とわかりやすさを両立させた良著です。

【レビュー】英語の発音の本を一冊選ぶなら『日本人のための英語発音完全教本』がおすすめ。情報量とわかりやすさを両立させた良著です。


僕は学生時代から英語の発音に苦手意識があり、発音関連の本を読み漁ってきました。

しかし、本棚に並んでいるたくさんの教材の中で、今も見返しているのは数冊だけ。

そのうち最も役に立っているのが、今回紹介する『日本人のための英語発音完全教本』です。

解説がわかりやすいだけでなく、知りたい情報が漏らさず載っているので、とても重宝しています。

発音記号が全部載ってる

僕がこの本を素晴らしいと思う一番のポイントは、イギリス英語とアメリカ英語の発音がすべて網羅されていること。

発音教材なら当たり前な気がしますが、こういうちゃんとした本は意外と珍しいです。


また、『日本人のための英語発音完全教本』の発音記号は、オックスフォードやロングマンの辞典で使われているような、国際的な表記に準じた書き方。

中学や高校の教科書で使われている発音記号は日本人向けに簡略化されたものなので、そこでは登場しなかった記号が登場し、発音の区別がより厳密になっています。

慣れない記号に戸惑う人もいるかもしれませんが、本格的に英語を学ぶなら、国際基準を知っておいて損はないでしょう。


丁寧な発音解説

この本では、一つ一つの発音記号について、

・口の形
・舌の動かし方
・のどの共鳴位置

などが、図解で詳しく説明されています。

DVDで映像も確認できるので、自分で完璧に再現できるかは別にして、発音の仕方がわからず困るということは、きっとなくなるはずです。


僕がとくに助かったのは、紛らわしい日本語の音との比較が載っているところ。

普段無意識にしゃべっている日本語の舌の位置や動かし方を知ることで、英語を学習するときに発音の切り替えがスムーズになりました。


文章中の音の変化

第五章では、「音の連結」と題して、単語が文章の中で続けて発音されたときの、音の変化が解説されています。

どんなときに音が省略されたり、添加されたりするのかが細かく書かれていて、ネイティブが感覚的に行っているであろうこなれた発音にも、きちんと法則があることがわかります。

僕がリスニングをしていて感じた疑問の大部分は、ここに答えが載っていました。

中でも読んでよかったのは、

・hの脱落
・ヨッドの脱落
・半母音の添加

など。

間違いだと思っていた発音が、実は一般的な変化だったというパターンも多かったです。

英語の発音はネイティブでも人によって差が大きいので、どこまでが許容範囲なのかを把握しておくのは、自信をもって学習を進めるうえで重要。

シャドーイングで音声をまねるときも、事前に音の変化の決まりを頭に入れておくと楽です。


トレーニングはほどほどに

この本の第2章では、英語の発音をよりネイティブらしくするための筋トレやストレッチが紹介されています。

ただ、実は僕、ほとんどやっていません(笑)

もちろんきちんと取り組むに越したことはないですが、とにかくメニューが多過ぎ。

真面目にすべてこなしていたら、肝心の発音練習までたどり着けないと思います。

気合を入れ過ぎて息切れしては意味がないので、挑戦する人は無理せずほどほどに。


ちなみに、「英語らしさ」に関しては『英語喉 50のメソッド』という本も参考になります。

この本、使われている発音記号が独特で、一つ一つの発音を練習するのには向いていません。

しかし、喉の使い方や「3ビート」という音節の考え方は一読の価値あり

僕はこの本のおかげで、英語の発音がだいぶ英語っぽくなりました。

さいごに

『日本人のための英語発音完全教本』は、英語の発音で困ったときに、とても頼りになる一冊です。

学校の授業でもこれくらい丁寧に教えてくれたらいいんですけどね。

教材選びに迷っている人は、ぜひ手に取ってみてください。


日本人のための英語発音完全教本(Amazon)


関連記事:【レビュー】アルクの『究極の英語リスニング』をやってみた感想。毎日聞いても飽きないよ!

関連記事:【英語学習】おすすめのポケット英英辞典はこれだ!僕のお気に入りを紹介します。