【感想】『ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~』を読んで。



三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~』を読みました。

ビブリアシリーズ本編の後日譚に当たる今作。

栞子と大輔の間には子供も生まれ、穏やかな空気が流れていました。

これまで登場してきたキャラクターたちの「その後」が描かれ、ファンにはたまらない一冊でしたね。

本編を読み返したくなる


今回は、ビブリアシリーズ本編から約7年後の設定。

栞子が、娘の扉子に、その間に起きた事件について話していくという内容です。

主役の栞子と大輔が結婚してからの様子が描かれ、本編に出てきた人物たちもたくさん登場しました。

志田さんや坂口夫婦なんて懐かしいですね。再び出会えてうれしいです。

まさか、シェイクスピアのファースト・フォリオを巡って争った、舞砂書店の店主まで出てくるとは思いませんでしたよ。

本編の記憶がだいぶ薄れていたので、それぞれどんな事件だったのかもう一度読み返しました。

以前は気付かなかった、新しい発見があって面白かったです。

いやー、ブックオフに売らないでよかった!


最後のオチが秀逸


物語の中で取り上げられた本のうち、僕が一番好きなのが、さいごに出てきた新潮文庫の『マイブック』。

見た目は文庫本ですが、中には日付と曜日しか記されておらず、自分で好きなことを書いていく、ちょっと変わった本です。

作中では、大輔が今までの出来事をすべてそこに記録していて、それが「ビブリア古書堂の事件手帳」だった、というオチでした。

これ、すごい上手くまとまっていますよね。

総集編として、これ以上ない素晴らしい終わり方だと思います。作者の力量に脱帽です。


ちなみに、『マイブック』は、僕も一度日記帳代わりにしようと買ったことがあります。

が、1週間くらいで挫折……。

今なら続けられそうな気がするので、また挑戦してみようかな?

次回作にも期待


今作は、ビブリアシリーズ本編の「後日譚」に当たる話でした。

作者のあとがきによると、「前日譚」の物語もまた別に書くつもりだそうです。

大好きなビブリアが終わらないと分かって一安心。

いつになるかはわかりませんが、次回作も楽しみですね。どんな本が登場するのかわくわくします。

でもやっぱり、本編もまだまだ続いてほしい!


さいごに


今回の話は、過去の登場人物のその後がのぞける、とても楽しい内容でした。

本編とのつながりを見つけると、つい笑顔になります。

ビブリアは、ドラマや映画で映像化されましたが、やっぱり本が一番ですね。

終わってほしくないなあ~。