【新鮮】青柳碧人『浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族』の感想。今度の渚は本格ミステリ!?

感想・レビュー_浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族_青柳碧人『浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族』の書評。今度の渚は本格ミステリ!?


青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族』を読みました。

表紙は渚のかわいい和服姿です。

久しぶりの長編は、いつもと一味違いますね。


感想・レビュー

本格ミステリっぽい話

今回は、題名からわかる通り、遺産争いが絡む某有名作品にちなんだ設定です。

舞台は方程式を使ったら死んでしまうという、怪しい言い伝えの残る村。

武藤さんは亀倉家、渚は鶴ノ森家と、それぞれ別々の場所で話が展開します。

2つのストーリーがどうつながるのかが最大の見どころですね。

渚の登場シーンは少なめ

作者のあとがきでも書かれていましたが、いつもに比べて渚の出番か少なかったです。

もちろん、最後にはちゃんと活躍しますけどね。

個人的にはもっと渚の数学解説が聞きたかったなあ……


ちなみに、タイトルから明らかな「つるかめ算」の他に、もう一つ大きな数学のテーマが盛り込まれています

村の地名や数え歌にヒントが隠されているのですが……

ちょっと難しいので、もし途中で気づいたらすごいですよ。

血縁関係がややこしい

「一族もの」ということで、序盤から似た名前の登場人物がたくさん出てきて、頭を整理するのが大変でした。

僕、血縁関係を把握するのが苦手なんですよね。

事件そのものはシンプルだったので、何とかついていけました。

家系図があったのもありがたいですね。


今回は数学よりも、秘密の恋愛感情や血のつながりが事件を解くカギになっています。

最後にはすっきりするので、僕みたいな人も途中であきらめずに読み進めてみてください。

こっちもおすすめ!

「あとがき」によると、作者はメイントリックのタネ明かしの仕方で、綾辻行人さんの作品を参考にしたとのこと。

僕の予想では、『十角館の殺人』がそうなんじゃないかと思います。

合っているかはわかりませんが、たぶん間違いないはず!


こちらもなかなかの衝撃作なので、知らない人はぜひ読んでみてください。

一つ一つの事件にこだわらずに、全体を俯瞰して考えるのが犯人を推理するコツですよ。

さいごに

「浜村渚の計算ノート」シリーズも、初期のころと比べると、だいぶ作風が変わってきましたね。

とくに「8と1/2さつめ」は今までにない空気感で新鮮でした。

著者の青柳さんがどんな試みを見せてくれるのか、これからも楽しみです。


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