今回紹介する洋書は、Charles Duhiggさんの『The Power of Habit』。
日本語版の題名は『習慣の力 The Power of Habit (講談社+α文庫)』となっています。
悪い癖をやめられない科学的な理由がわかって、目からうろこが落ちました。
あらすじ・概要
『The Power of Habit』は、タイトルの通り、私たちが普段何気なくやっている習慣(habit)について解説した本です。本書での「習慣」は、自分の意志に関係なく行われる、自動化された行動のこと。
扱われているテーマは、おなかがすいたらご飯を食べる、買い物の仕方といった日常的なものから、試合前のルーティーン、飲酒やギャンブルまでさまざま。
スターバックスや水泳のフェルプス選手など、たくさんの具体例を交えながら、習慣の持つ力や、コントロールのコツを説明しています。
思い通りに習慣を作り変えるための手順もまとめられていて、読んですぐ実践することが可能です。
英語もわかりやすくて、スムーズに読める一冊でした。
感想・レビュー
なぜ習慣は変えにくいのか?
僕が「なるほど!」と思ったのが、習慣を変えるのが難しい理由。そもそも習慣は、普通の動作とは、使われる脳の部位が違うんです!
習慣が処理されているのは、意志や記憶をつかさどる前頭葉ではなく、脳の中心部。
そのため、心の中で「やめよう!」と思っても、その声は届かないというわけですね。
自分の意志力だけで習慣を変えるのは、下りのエスカレーターを逆走して駆け上がろうとするのと同じ。
行動が自動化されるおかげで、いちいち考える必要がなくなるのはうれしいですが、一度方向性を間違えると、治すのはなかなか大変です。
行動だけを置き換える
では、習慣をコントロールするにはどうすればよいのか、というのがこの本のテーマ。著者は習慣をcue、routine、rewardの3つに分解して説明しています。
たとえば、「ゲームをする」という習慣であれば、
cue:勉強に飽きる
routine:ゲームをする
reward:ストレス解消
といった感じ。
そして、習慣を変えるには、すべてを新しくするのではなく、cue、rewardをそのままにして、routineだけを変えればいいそうです。
上の例なら、ゲームではなくストレッチをしたり、コーヒーを飲んだりするということです。
ただ、難しいのは、cue、rewardが何かを見極めること。
一見同じ習慣でも、人によってcue、rewardは異なり、置き換えるべきroutineも違ってきます。
ここに関しては本書に詳しく載っているので、ぜひ読んでみてください。
信じる者は救われる?
習慣を変える秘訣がいろいろと紹介される中で、著者が絶対に欠かせないと説明していたのが、「自分は変われる」と信じること。ちょっと精神論みたいですが、真理ですよね。
ダイエットや禁煙に失敗する人の多くは、心のどこかで「どうせ無理だ」とあきらめているのではないでしょうか?
僕も思い当たる節がいくつもあってドキッとしました。
自分を変えるには、まず自分を信じることが大事。
まさに、「信じる者は救われる」ですね。
さいごに
『The Power of Habit』の内容を実践して、僕は今までずっとやめられなかったゲームから卒業することができました。きちんと手順を踏んでいけば、意外とうまくいくものですね。
あんなに夢中になっていたのに、いざ離れてみると全くやろうと思わないのも不思議です。
習慣の力は偉大だなあ……
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