気づけば今年も残すところあと約1か月。
本格的な冬が近づき、ヒーターが必要な季節になりました。
寒さに負けず、今月も本の感想を書いていきます。
※補足
タイトルに「Kindle Unlimited」と付けているのは、AmazonのKindle Unlimitedを利用して読んだ本です。(Kindle Unlimitedの対象作品は定期的に変わるので、ダウンロードする際は事前に読み放題になっているか確認しましょう!)
【Kindle Unlimited公式サイトはこちら】
読書記録(2021年11月)
阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし(Kindle Unlimited)
家族とも他人とも違う「姉妹」の絶妙な関係性が微笑ましかったです。「芸人らしさ」より「おばさんらしさ」の勝るエピソードは、ネタとしてはちょっと弱かったけれど、無理に盛っていない普通の日常が素敵。
それぞれの書いた小説もなかなかの出来栄えでした。
意外だったのは、姉のエリ子さんの方が、抜けているところ。
忘れ物が多いのはしょうがないですが、貯金の額にそこまでの差が生まれるとは……。
似ているようで、性格もこだわりも異なるお二人。
「二人暮らし」から「隣暮らし」になっても、互いにゆるく支え合うほのぼのとした生活は、変わらず続いていきそうです。
正直に語る100の講義
「100の講義」シリーズは、大学生のとき『素直に生きる100の講義』を読んで以来。
あれからもう5年も経ったのか……。
内容は日本語の表現に関する話が多く、若干のネタ切れ感が漂っていました。
しかし、時折繰り出される本質を突いた意見にはぎくり。
森さんのエッセイを読むと、いつも居住まいを正させられます。
僕のモヤモヤを代弁してくれていたのが、第66講の「コマーシャルが、単なるメディアになってしまった」。
近ごろは商品(あるいはコンテンツ)よりも製作者や出演者が前面に出過ぎ。
もちろん完成に至るまでのプロセスやストーリーも大切ですが、そこを強調するのは本来あるべき姿とは違うかなと思います。
あくまでも主役は商品そのものであることを忘れないでほしいです。
か「」く「」し「」ご「」と「
普通、あまりにも眩しい青春を見せつけられるとうんざりしてしまいますが、主要人物5人のキャラがしっかり立っていて引き込まれました。
「人間を描く」とは、まさにこういうことですね。
疑問を提示して答えを明かすまでの伏線と回収の流れとか、不思議なタイトルにつながる能力の設定もお見事。
『君の膵臓をたべたい』もよかったけど、今作も文句なしの傑作です。
また、単行本の後ろには、風景にまぎれてそれとなくQRコードが付いています。
読み取ると、作品の特設サイトに遷移。本編に関する問題が全部で5問あり、正解すると、それぞれの章の合い間のストーリーが読める仕掛けになっていました。
物語の根幹にかかわるような重要な描写も含まれているので、本が手元にある人は、ぜひ目を通してみてください。
僕は図書館に本を返す直前に気づいて大慌て。危うくスルーするところだった……。
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった(Kindle Unlimited)
ヒトデさんのブログ「今日はヒトデ祭りだぞ!」を彷彿とさせるような「笑える」文章で、楽しくするすると読めました。なかなかに重たいバックグラウンドをお持ちなのに、全く無理している感じがしないのは、著者の人柄なのでしょう。
ユーモアのさじ加減が絶妙で、「いい話」と「笑い」が互いを引きたてつつ、バランスよく両立していました。
まあ、気兼ねなく笑えるのは、文章うんぬんというより、「岸田家」そのものが放つ明るさのおかげかな。
車いすのお母さんも、ダウン症の弟さんも前向きで、彼らには真の意味での「不幸」は訪れないんじゃないかと思わせてくれます。
どんなに大変な状況に陥っても、岸田さんなら必ず楽しい文章に変えて届けてくれるという安心感。
障害を乗り越えるほど面白くなるエッセイなんて、無敵ですね。
名称未設定ファイル(Kindle Unlimited)
別名義(品田遊)で小説を書いていると聞いたので、気になって読んでみたのが本書です。
率直な感想としては、これは「小説」ではななく「ネタ」。
どんなテーマでもそれっぽいことを言わせたら右に出る者はいない著者が、散文という形式で大喜利を披露しているような印象を受けました。
ネット民の感性が存分に発揮された作風は、好き嫌いがはっきり分かれそう。
並行して読んでいた住野よるさんの『か「」く「」し「」ご「」と「』とは、ちょうど対極に位置する作品ですね。
僕がどちら寄りのタイプの人間なのかは、ご想像にお任せします。
洋書ラビリンスへようこそ(Kindle Unlimited)
「乱読者」を名乗る著者なだけあって、小説以外にもさまざまなジャンルから掘り出し物が紹介されていました。
自由自在に洋書を読めるようになるのが僕の英語学習の最終目標なので、こうやって楽しそうに多彩な作品を取り上げられると憧れてしまいますね。
宮脇さんの書評は、作品や著者の背景情報をしっかり押さえつつ、独自の見解を述べており、まさに洋書レビューのお手本。
実際に洋書を手にしたわけではないのに、紹介文だけで十分な満足感を味わえました。
関連記事:【書評の書評】これぞプロの洋書レビュー!宮脇孝雄『洋書ラビリンスへようこそ』を読んだ感想。
紹介されていた56作品のうち、William TrevorのThe Hill BachelorsとLydia DavisのAlmost No MemoryはとりあえずAmazonのほしいものリストに入れました。
あと、宮脇さんは同じ著者の別の本を取り上げていましたが、David CrystalのMaking Senseも読んでみようと思います。
いつかブログにレビューを書くつもりなので、乞うご期待!(ただの感想文になりそうですが……)
さいごに
収拾がつかなくなるのでブログにはあまり書いていませんが、本だけではなくマンガもたくさん読んでいます。今月はKindle Unlimitedで『金色のガッシュ!! 完全版』が12巻まで読み放題になっており、最終巻まで買い足して全巻一気読みしました。
いつも見て見ぬふりをしてるけど、本棚もKindleの中もごちゃごちゃ。そろそろ整理しないとなあ……。
関連記事:【比較】AmazonのAudible(オーディブル)とKindle Unlimitedはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットまとめ。
関連記事:Kindleがあれば無料でたくさん洋書が読める!AmazonClassicsは英文多読にぴったり。