『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』を読んだ感想。

母が唐突に『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』という本(タイトル長過ぎ!)を買ってきた。ネットニュースで著者が紹介されていて、応援する気持ちで購入したとのこと。ネットで大体の内容はわかったから、となぜか僕が先に読むことになった。

著者の済東鉄腸さんは、引きこもりと言いつつ、物理的に外にあまり出ないだけで、行動力は人並み以上。年齢も近いし、クローン病だし、僕と同じような人かも、と思っていたら全然違った。文学の嗜好性やコミュニケーション力の高さは、むしろ僕と真逆のベクトルだった。

僕は英語学習が趣味と自称しているが、勉強のために英語でブログを書こうとしたことはあっても、創作の手段として英語を使って小説を発表しようとまでは思わない。そもそも英語は外国語だから、どんなに頑張ってもネイティブと同じ感覚にはなれない、という諦めが心のどこかに常にある。持病のクローン病もあって海外に行く機会は今後もおとずれないだろうし、身内や知り合いに英語話者もいないから、英語の勉強にはどこか本気になれない自分がいる。

ところが、済東さんはそういった壁をやすやすと乗り越えてルーマニア語で小説を書いている。言語をその国の人たちのものとして外側から見るのではなく、自分の言葉の一部としてとらえられる点が、僕との最大の違いなのだろう。そろそろ英語からは足を洗おうかと考えていたのに、やっぱり語学っていいよなと思わされてしまった。

ちなみに、母は文学や外国語には興味がなく、本の内容にはついていけなかったらしい。ネットニュースの方が面白く感じた、と言っていた。人を惹きつけるネットニュースの文章には見習うべきものがあると思う。




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