【レビュー】仁科充乃『コンビニオーナーぎりぎり日記』を読んだ感想

【レビュー】仁科充乃『コンビニオーナーぎりぎり日記』を読んだ感想


仁科充乃さんの『コンビニオーナーぎりぎり日記』を読みました。

仕事でたまに「責任者を出せ!」と言われますが、自分がその「責任者」になる姿は想像できない……。




感想・レビュー

コンビニバイトを題材にした漫画や小説はたくさんあるが、オーナー視点で内情を書いたものは珍しい。たぶんコンビニ会社本部の目を気にして、きわどいことを発信するのはためらわれるのだろう。本書ではファミマ(一応「ファミリーハート」と仮名を使っている)の店舗オーナーが仕事上の苦労にとどまらず、フランチャイズ契約の仕組みを具体的な金額を交えて記していて、勇者だなと思った。「○○日記」シリーズの他の作品もそうだが、実際の会社名がわかる書き方でネガティブな事実をさらけ出せるのがすごい。でも、だからこそ面白い。

コンビニのオーナーは、一般にイメージする「経営者」のイメージと違い、ハードな「労働者」の印象だった。バイトと同じかそれ以上の密度でレジ打ちや商品陳列、清掃を行い、さらに店舗管理や本部とのやり取りのストレスも加わる。そこまでの激務をこなしても大きく儲けられるわけではなく、初期投資を考えると、よほどの覚悟がないとフランチャイズのオーナーにはなれないと思った。以前からコンビニバイトは僕には無理そうだなと感じていたが、オーナーはレベルが違い過ぎて尊敬するしかない。

興味深かったのは、働く側と雇う側の考え方の違い。労働者としては時給が上がるのはいいことだが、オーナー目線で見ると人件費の高騰になる。バイトも「行く」のではなく、シフト通り「来る」ことを祈る。お店を回す立場の人々は、僕のような時給労働者とは世の中の景色が違って見えるのだろう。そちら側に行くことは、この先もきっとないが。


さいごに

コンビニの仕事はいろいろと大変そうでしたが、地味に一番嫌だと思ったのは、虫の問題。

コンビニに限らず他の小売店ではどのように対策しているのか気になりました。

日々清潔な環境を保ってくれているお店の方々に感謝です。


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