松本孝夫さんの『障害者支援員もやもや日記』を読みました。
「みんな違ってみんないい」って理想を支えてるのは、こういう人たちなんだよな……。
感想・レビュー
「障害者」と聞くと目の見えない人や手足のない人などの身体障害者を思い浮かべるが、この本の舞台となる著者の職場は、発達障害や知的障害、精神障害を持った人たちが生活する施設。支援員の仕事についてはもちろん、利用者たちの成長や関係性の変化も描かれていて面白かった。身体的な障害と比べ、内面の障害は意思疎通がうまくいかなかったり、行動が予測できないところが大変。想定外が日常茶飯事で、体力というより胆力が必要な仕事だなと思った。小学生のころ、特別支援学級に通う子たちと一緒に給食を食べる日が定期的に設けられていた。そのころは「障害」という言葉は全く意識せず、ただ「そういうタイプの人もいるんだな」としか思っていなかった。みな優しく接しており(少なくとも僕の見た限り)、子どもなりの「知らない」からこその寛容さがあった。障害についてある程度の知識を持った今、あの事と同じように素直な気持ちで彼らに接する自信はない。差別や偏見はないとしても、相手が障害者だというだけでどうしても身構えてしまう。
世の中で暮らす人々の一定数は障害を持っていて、その家族も含めればかなりの人数が障害の当事者ということになる。自分も一応難病患者で健常者との隔たりを感じるが、他にも「普通」になれず苦労している人はたくさんいるのだろう。もっとみんなが生きやすい社会にならないかなと思うが、たぶんならない。
僕もいい加減実家暮らしに甘えず、自立しなければと思うのですが、なかなか……。
とりあえず毎年届く(抽選のはずなのに)障害者福祉の当事者向けアンケートには真面目に答えようと思います。
関連記事:【傑作】もう読んだ?僕の人格を形作った完結済みのおすすめ漫画まとめ。
さいごに
この本のように障害を題材にした本を読むと、障害者も健常者と変わらず年を取り大人になる、という当たり前の事実を痛感します。僕もいい加減実家暮らしに甘えず、自立しなければと思うのですが、なかなか……。
とりあえず毎年届く(抽選のはずなのに)障害者福祉の当事者向けアンケートには真面目に答えようと思います。
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