11月に読んだ本の中から、特によかった作品を3つ選んで紹介します。
今月は芥川賞、直木賞作家の小説ばかりです。
よかった本トップ3(2025年11月)
第1位:生殖記
僕は主人公と全く違う境遇ですが、生産性のなさに対する著者の温かい眼差しに救われた気持ちになりました。
朝井さんはもう一回くらい直木賞獲ってもいいんじゃないかな?
個人的には先月読んだ『イン・ザ・メガチャーチ』よりこっちのほうが好き。
タイトル的に身内には薦めにくいので、ブログで激推ししておきます。
みんな読んで〜!!!!!
第2位:嫌いなら呼ぶなよ
綿矢りささんの小説を読むのはこれで2作目。
高校生のとき読んだ『蹴りたい背中』は正直あまり意味がわからずなんとなく苦手な作風だと感じていたのですが、最近週刊文春(Kindle Unlimitedで読み放題)で連載されている綿矢さんのエッセイを読んで「もしかして面白い人なのでは?」と思い、今作で確信に変わりました。
巧みな文章とユーモアの馴染み方が素晴らしい。
登場人物がそれぞれ偏った価値観を持っていて、自己中心的な視点で世間を眺めているにもかかわらず、誰よりも俯瞰して状況を捉えていると考えている様子がとても人間らしいなと思います。
高校生のとき読んだ『蹴りたい背中』は正直あまり意味がわからずなんとなく苦手な作風だと感じていたのですが、最近週刊文春(Kindle Unlimitedで読み放題)で連載されている綿矢さんのエッセイを読んで「もしかして面白い人なのでは?」と思い、今作で確信に変わりました。
巧みな文章とユーモアの馴染み方が素晴らしい。
登場人物がそれぞれ偏った価値観を持っていて、自己中心的な視点で世間を眺めているにもかかわらず、誰よりも俯瞰して状況を捉えていると考えている様子がとても人間らしいなと思います。
第3位:恋とか愛とかやさしさなら
「出来心で犯してしまった罪」が「盗撮」だった場合の許されなさに胸が締めつけられました。
「犯罪」としての重み以上の「事実」の重み。
前半パートも後半パートも読んでいていたたまれず、善良であり続けることの難しさと尊さを感じました。
文章が美しすぎるのがまた切ない……。
心の痛みから逃げず、真正面から描き切った作者に拍手!
さいごに
芥川賞や直木賞を神聖化し過ぎるのは良くないかもしれませんが、受賞経験者の書く小説にはやはり「格」のようなものを感じます。単なる面白さを超えた、読み手を満たす豊かさは、一体どこから来るのでしょう?
AIには生み出せないものがあると、今のところ僕はまだ信じています。
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