【体験談】大腸の内視鏡検査を受けてきた。事前の準備と当日の流れを記録します。

【体験談】大腸の内視鏡検査を受けてきた。事前の準備と当日の流れを記録します。


クローン病の経過観察のため、大腸の内視鏡検査を受けてきた。

前回の検査から約3年。もう何度も検査を受けているが、毎回「どんな感じだったっけ?」と細かい部分を忘れてしまう。

たぶんまた3年くらいしたら検査を受けなければならないので、その時に振り返れるように検査の準備や当日の流れを記録しておく。


検査2日前

食事制限

大腸検査の準備は2日前から。といっても何か薬を飲むわけではなく、検査に備えて繊維の多い食材を控えるだけである。

ただ、どこまで厳密に守るか毎回迷う。いつも大腸検査の説明の時に渡される工程表には以下のように記載がある。

消化の良いものを食べてください。※野菜、わかめ類、胡麻、こんにゃく、きのこ類はなるべく摂らないでください。

ここに「なるべく」と書いてあるので、そこまで気にしなくても、と思っていたら、今回は追加で「検査前の食事について」という紙が入っていた。そこには食べていいもの、いけないものが一覧で記されており、ダメな食材の上にはこう書かれていた。

NG 食べないでください NG

本気だ……。

いろいろ考えた末、以下のような食事メニューになった。

朝:鮭おにぎり(海苔なし)、白菜と豆腐を出汁で煮たやつ
昼:炊き込みご飯(具はなるべくよけた)、キャベツ
夜:ごはん、アジ(ただ焼いただけ)、豆腐の味噌汁

海苔はさすがにヤバそうだな、と思ったので控えた。キャベツと白菜くらいは許してほしい。


検査前日

食事制限

食事は繊維をなるべく控え、以下のようなメニューになった。昨日に比べて徹底している。

朝:鮭おにぎり(海苔なし)、豆腐を出汁で煮たやつ
昼:ごはん、カマス(ただ焼いただけ)
夜:ごはん、目玉焼き、豆腐の味噌汁

野菜がないと料理の見た目が白や茶色ばかりになって味気ないが、咀嚼回数が減ってこれはこれで楽だなと思った。

下剤(マグコロールP)

検査前日の夜には下剤(マグコロールP)を飲まなくてはならない。

服用時間としては就寝2時間前ということになっている。食事が終わって約1時間後の20:30ごろに飲むことにした。

マグコロールPと一緒に渡された紙コップには150mLと200mLの目盛りがついている。ただ、紙には「150mLの水で溶いて服用してください」と書いてある。最終的に○○mLというわけではないので、メモリはあまり意味がない。

袋を開けて中身を紙コップに入れると、粉だけでコップ半分くらいになった。ここに水を加えて混ぜるのだが、なかなか溶けない。こぽこぽとマグマのように泡が出てくる。かなり頑張っても溶け切らないので、仕方なく飲み始める。

ああ、この味。3年前の記憶が鮮明によみがえってくる。袋にはジュースのような味がするので子どもの手の届かないところに保管するよう書いてあるが、子どもが飲んでも不味くてすぐ吐くだろう。主成分がクエン酸マグネシウムなので酸味があるとはいえ、ジュースではない。

そして、最初「意外とすんなり飲み切れるのでは?」と勘違いし、段々味が濃くなってペースが激落ちするのも前回と同様。そうだった、絶対下の方に溶け残るんだった、と思い出す。途中で水を少しだけ挟みつつ、なんとか飲み切った。

就寝前にはトイレに行くよう書かれていたが、おなかが気持ち悪いだけで便は出ず。本当は22:30ごろに寝ようと考えていたが、おなかが不安定なまま起きているのがつらかったので22:00に就寝した。

その後、夜中の0:20頃に起きて排便。いったんトイレから出るも、便意をこらえきれず20分ほどして再度トイレへ。この段階ですでに液状の下痢が出た。このまま何度もトイレに行って眠れないのではと心配したが、意外とちゃんと眠れて、次に起きたのは5:30頃。検査当日の朝を迎え、そこでもまた下痢が出た。


検査当日

腸の洗浄(モビプレップ)

当日はいよいよ腸の洗浄剤(下剤)である「モビプレップ」を飲まなければならない。

まず自分で粉の入ったどでかいパウチに水を入れ2Lの溶液を作るのだが、これが意外と重労働。粉がなかなか水に溶けず、2Lの液体を振りまくったので腕がかなり疲弊した。結局、20分くらいかかってようやく準備が整った。7時過ぎには飲み始めようと思っていたのに、気づくと7:30くらいになっていた。

最初はモビプレップの前にコップ2杯分(180mL×2)の水を飲む。普段水をそこまで一気に飲まないのでこの時点でもちょっときつい。

そして、お待ちかねのモビプレップ。下剤の味はしっかり記憶にこびりついていて、3年前から寸分の変化も無かった。コップ1杯(180mL)を10分ペースで飲む。最初の1杯目を飲み終わった頃くらいから、トイレと部屋の往復がスタートした。

割と初期の段階で下痢というより、液体に汚れが混じっている感じになった。10時までに10回ほど排便を繰り返し、便はおしっこのようなきれいな黄色い液体へ。よく目を凝らすと若干のカスがあるかないかくらいの状態になった。10分でコップ1杯というペースは、途中でトイレを挟むので全然守れない。

指示書の手順だと、コップ6杯分(約1L)の下剤を飲んだあと、水を2杯飲んでひと区切り。便が完全に透明になれば終了と書いてある。

しかし、コップが小さかったためか、6杯飲んだ段階でも700mLくらいしか減っていない。仕方なく7杯目まで根性で飲み切り、850mLくらいで終了とした。1Lには達していないが、便も透明だから許されるはず。というか気持ち悪くて限界で、それ以上飲むと吐きそうだった。そもそも一般人に比べて腸が異常に狭いのに、飲む下剤の量が一緒なのがおかしい。

残った下剤は病院に持っていく必要がある。1L飲んでいないと確実に詰問されるので、流しに少し下剤を流して捨て、偽装工作をした。どうせばれない。自宅で下剤を飲んで検査に臨むメリットである。

おむつを履いて病院へ

それから病院に行くまでの間、さらに10回ほど便が出た。検査は15:00からの予定で、14:00までに受付という指示。病院まで30分ほどかかるので、父(たまたま仕事が休みだった)の車で13:20頃に家を出た。

このとき、万が一漏らしてしまったときに備え、パンツの代わりに大人用紙おむつを履いていった。大人用紙おむつは履き心地抜群で、全く不快感がなかった。今後長時間の試験に臨む際や映画を見るときは念のため履いてもいいかもしれない。

ちなみに、大人用紙おむつはAmazonで2枚入りのお試しパックを購入。なぜか40%オフのクーポンが適用され、たった160円で買えた。助かった。


検査待ち

14:00前に病院に着き、内科の受付で余った下剤を渡した。1L近い下剤を持ち歩くはめになるのかと危惧していたが、そのまま回収してくれた。

内視鏡検査の際は、腸の動きを押さえる薬を投入するため、腕に点滴をつける(ルートをとる、という)必要がある。毎回点滴の針が血管に入らず苦労するのだが、今回は事前に腕に温めた保冷剤を載せる時間はあったものの、一発で成功。こういう時は看護師さんに感謝しかない。

ただ、せっかくスムーズに点滴を挿入したのに、そこから2時間以上待たされた。僕の検査に使うのが特別な細いカメラで、数が限られているらしい(たぶん一つしかない)。

待ち時間の間、何度かおなかが不安定になりトイレに行ったが、少しだけガスが出ただけ。苦労して点滴を引きずっていった甲斐がなかった。

大腸検査本番

ひたすらに待って、ようやく検査が開始されたのは、16:15ごろ。看護師さんから「忙しいだろうにごめんね」と謝られたが「いや、別に大丈夫ですよ」としか返せない。僕が待っている間、休憩もなくフル稼働している看護師さんや先生たちに比べたら、忙しいわけがない。先生は前の患者さんの検査後(隣でずっと検査の声が聞こえてた)すぐやってきて、よく集中力がもつなと感心した。

検査室では、いったんカーテンがかけられた中で検査着に着替え、検査台に横になった。

前回は鎮静剤の影響なのか検査後に異常に吐き気がしたため、今回は極力鎮静剤は使わない約束だった。ただ、腸の動きを抑える薬だけは必要とのことで、それだけは点滴の管から投入された。

結局、最後まで鎮静剤は使わずに済み、検査中はずっと映像を見ながら先生の説明を聞いていた。細いカメラを使ったおかげか、痛みはほとんどなし。途中突っ張った感じがして気持ち悪さはあったが、頑張って耐えるようなつらさではなかった。

ただ、炎症部分の組織を採取する「生検」を行うときはちょっぴり痛かった。カメラのチューブを通して鉗子のような器具を挿入し、腸の表面の細胞をはぎ取る。

まず先生が「開いて~」と言うと看護士さんが操作を行い器具がパカッと開く。場所を調整したのち、先生が「閉じて~」と言うと器具が閉じられ、その瞬間、先生が勢いよく器具を引き抜く。モニターを見ていると、急に映像が血で染まるので痛々しい。

生検はポリープを取るのとは違って出血が続く可能性は低いとのことだったが、無理やり組織片を引きちぎっているようにしか見えず、内心かなり不安になった。最終的に5か所くらい生検が行われた。ところどころにポリープもあったが、悪性のものではなかったため取らなかった。

30分ほどして、検査は終了。問診までしばらく待たされるかと思ったが、着替えて5分もたたずに先生に呼ばれ、説明を受けた。

検査結果は割愛。あんまりよくなかった……


さいごに

大腸検査はこれまで何度も受けているが、毎回「こんなに大変だったっけ?」「こんなに楽だったっけ?」と印象が変わる部分がある。

それでも、総じて検査が面倒なことは同じ。

早く医療が発達して、下剤を飲まなくても腸の状態を調べられるようになることを祈る。


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