【2026年3月】今月読んだ本の感想まとめ。

【2026年3月】今月読んだ本の感想・レビューまとめ。【読書記録】


3月に読んだ本の感想を書いていきます。

今月はいつにも増して良い本ばかりでした。


読書記録(2026年3月)

人体最強の臓器 皮膚のふしぎ


皮膚についてはもちろん免疫の仕組みについて非常に勉強になった。大学のときに生化学の授業を受けてある程度の知識はあったが、用語を断片的に覚えただけで理解したとは言い難く、この本を読んでバラバラだったピースが一枚の絵になっていく感覚があった。

異物に対する感作が起こったとき、皮膚だとアレルギー的な反応、腸だと免疫寛容につながる傾向があるというのは興味深い。IBDも腸が何らかのきっかけで皮膚のような免疫反応をしてしまうことで炎症が起きるのかもしれない。

悪い夏


夏に読んだら気が滅入りそうなので今の季節に読んだ。起こってほしくないことが起き、越えてほしくない一線を越えられ、決してめでたしめでたしとはいかない展開。正直読むのがつらい部分もあったが、たまにはこういう小説もあっていいと思う。

まともに生きられなくなったとき、どうやって人生を立て直したらいいのか。誰か教えてほしい。

ドーン


さすが平野さんなだけあって、文学的考察の深さに圧倒された。長いうえに重いのに、ちゃんと面白い。分人主義については『空白を満たしなさい』よりこちらの方が核心を突いている気がする。新しい分人が作れない環境だと過去の分人が肥大化するというのは実感として腑に落ちた。

他地域への軍事介入をめぐる議論はアメリカが舞台の小説ならでは。賛否どちらの意見も、片方だけを読むと、すぐ納得してしまいそうになるのが恐ろしい。どんなに無茶苦茶な主張でも言葉の使い方がうまいと理屈が通っているように感じるので、小説家が政治家になったら最強かも。

未来予測的な面では、火星到達が2033年設定なのは早すぎる。一方、アメリカが「世界の警察官」の役割を担っていたのはもう過去の話で、すでに懐かしさすら感じる。真偽不明の情報の拡散や社会の分断は今の現実そのものだけど、さすがの平野さんもトランプさんみたいな人が大統領になるとは想像していなかったに違いない。

嘘つきジェンガ


嘘がバレそうなときのヒヤヒヤする気持ちや自分が騙されたと知ったときのヒュっと心臓が止まりそうになる感覚を追体験した。どの作品も途中で「ここから先はもう読みたくない……」と思いながら読んだ。

登場人物たちのリアクションは僕の感じ方とはズレがあったが、騙し騙される時の嫌な心の動きだけはストレートに伝わってきた。現実では嘘をつかなくていい世界で生きていたいと切に願うが、無理。物語には最後に救いが用意されていてほっとした。

ノウイットオール


胸に刺さるような深さはないが、章を経るごとにジャンルを横断していくのは楽しかった。個人的には第2章のM-1を目指す話が好き。プロと素人の違いはなるほどその通りだなと思ったし、素人臭さを「脱臭」するという表現がよい。

森バジルさんは福岡在住らしく、本屋に著書が大量に置いてあった。器用に何でも書けそうな作家さんなので、これからどんな風に進化を遂げていくのか期待。

教場


天海祐希が主演していた『女王の教室』の警察学校版みたいな作品を想像していたが、だいぶ方向性が違った。あくまで生徒(といっても社会経験を経た大人ばかり)たちが主役で、風間がそこまで前面に出てこないところがよい。そもそも現実にこんなに厳しい指導が行われているのかは謎だが、半年という短い期間で一般人を警察官に変えるにはある程度の厳格さが求められるのだとは思う。僕なら1週間もたなそう。キムタク、ではないかな……。

世にも奇妙な君物語


本家の『世にも奇妙な物語』のようなホラーじみた不気味さがなくてホッとした。朝井リョウが変化球を投げるとこうなるのか、という感じ。途中「むむっ?」と思うところはあったが、最後はちゃんとストライクゾーンに落ちてきた。

朝井さんはエッセイが面白過ぎるので、作り物のおふざけはハードルが上がってしまっている。個人的に朝井作品は一つのテーマを多角的に切り崩していくような長編が好みだが、また同じような企画の本が出たらたぶん買う。

「夢のエネルギー」核融合の最終解答

アーサー タレル (著), 田沢 恭子 (翻訳), 横山 達也 (監修)

NHKで核融合炉の「ITER(イーター)」を特集した番組を見て、もっと詳しく核融合周りの現状を知りたいと思って読んだ。これ一冊で核融合の仕組みを完全理解!とはいかなくても、おおよそどんなアプローチがあるのか、どんな課題があるのかは知ることができた。

本書では、核融合の実用化を目指すたくさんの組織やスタートアップ企業が取り上げられていて、現場の熱量が伝わってくる。ただ、夢を語るのは悪くないが、官民問わず、資金を集めるために見栄えのよい無茶なスケジュールを掲げているのが痛々しい。実際にはまだまだ実験段階なのに、近いうちに新しいエネルギー供給源として発電網に貢献できそうな雰囲気を出しているのは健全ではないと思う。せっかく有意義な研究をしているのに、常に出資者の顔色を窺わないといけない科学者たちがかわいそうで見ていられないところがある。

気になるITERについては最後の第9章で述べられていた。利害関係者が多いがゆえにどんどん計画が後ろ倒しにされていくのは日本のリニア新幹線みたい。運用開始予定が2034年で、それまでにアメリカの民間企業や中国政府に先を越されそうな気もするが、NHKの番組で日本人が予算を通すため奔走する姿を見て応援したい気持ちになった。自分は直接かかわれなくても、月面着陸を目指すアルテミス計画と同じく、傍から進捗を眺めているだけでわくわくする。

この本の原著のタイトルは「THE STAR BUILDERS」で、核融合炉を「スターマシン」、その作り手を「スタービルダー」と呼んでいる。核融合が恒星の中で起こっている反応だとはわかっていても、「スター」という言葉は夜空に輝いて見える光のイメージで、すぐに核融合とは結びつかない。いつか違和感なくみんながそのような呼び方をする時代が来るのだろうか。とりあえず、僕が生きている間にどうにか「発電所」までたどり着いてほしい。


さいごに

最近ついにKindle Colorsoftを購入したのですが、ほとんどの本は今まで使っていたKindle Paperwhiteで読んでいます。

やっぱり5年以上使っている端末は手のなじみ方が違いますね。

新しいKindle Colorsoftは読み込みが速かったり、画面が大きかったり、それぞれいいところがあるので、状況に応じて使い分けていきたいと思います。

ちなみに、Kindle Colorsoftで一番感動したのは『あたしンち』がフルカラーで読めるようになったことです。わーい!


16GBストレージ、7インチカラーE-inkディスプレイ、色調調節ライト、最大8週間持続バッテリー、防水、広告無し、ブラック (2025年発売)


関連記事:【比較】AmazonのAudible(オーディブル)とKindle Unlimitedはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットまとめ。