以前クローン病で入院してから約1年経ったので、大腸の内視鏡検査を受けてきました。
これまで何度もやってきた大腸の内視鏡ですが、検査が近づくといつも、「どんな感じだったかな?」と不安になります。
そこで今回は、次の検査のときに振り返られるように、ブログに細かく記録しておくことにしました。
これから大腸検査を受ける人も、ぜひ参考にしてみてください。
下剤のスケジュール
大腸の内視鏡に欠かせないのは、なんといっても下剤。僕の通う病院では、次のようなスケジュールで下剤を飲む決まりになっています。
2日前の夜:センノシド(非刺激性の弱めの下剤)
前日の昼:センノシド
前日の夜:マグコロールP(強めの下剤)
当日の午前中:モビプレップ(1リットル以上ある腸の洗浄剤)
それぞれの下剤については後に詳しく書きました。
もちろん、病院によって使用される下剤の種類や量は違います。
僕の通う病院では、3つの下剤を使う念の入れよう。
ここまでやるところは珍しいんじゃないかな?
ただ、僕は食道を治療中で錠剤が飲めないため、センノシドは無しでした。
それでも特に問題はないようです。
また、検査当日の下剤であるモビプレップは家で飲んでもよかったのですが、それだとトイレを占領して家族に迷惑がかかるので、病院で飲むことにしました。
後に理由を書きますが、この選択は大正解だったと思います。
検査前の食事
大腸内視鏡では、腸の中のカスをできるだけ減らすため、検査の2日前から、野菜や海藻、ゴマなど消化に悪いものは控えるように指導されます。看護士さんによると、全く食べてはいけないのではなく、なるべくでよいとのこと。
僕は以下のようなメニューにしました。
2日前
朝:鮭おにぎり、出汁で煮た白菜、豆腐
昼:ごはん、蒸しキャベツ、サワラ(焼き魚)
夜:ごはん、味噌汁(豆腐、大根、ニンジン)、サバ
前日
朝:鮭おにぎり(海苔なし)、大根の煮物、豆腐
昼:ごはん、アジ
夜:ごはん、味噌汁(豆腐)、サワラ
最終的には下剤で全部出すので、何を食べてもあまり関係ない気はしますけどね。
ちなみに、前日の食事は夜9時までなら大丈夫だそう。
まあ、夜飲む下剤のことも考えて、僕は7時前には食べ終えましたが……
前日は夜ご飯抜きだと思っていたので、ちょっとびっくりでした。
検査前夜の下剤:マグコロールP
嫌々ながら1つ目の下剤を飲み始めたのが、検査前夜の8時ごろ。ご飯を食べてまだ1時間くらいなのになあ……と思いつつ袋を開けました。
最初の下剤はマグコロールP。
なんだかハリーポッターに出てきそうな名前ですね。
クエン酸マグネシウムを主成分とする、かなり強めの下剤です。
白色の粉末(名前のPはおそらくPowderの頭文字)で、量は50グラム。水に溶かして服用します。
僕は、検査の予約のときに病院でもらった、目盛り付きの紙コップを使いました。
加える水の量は150mLですが、粉が50グラムもあるので、混ぜた後の量は200mLくらいです。
だまになることはなく、意外と簡単に溶けました。
看護士さんにすすめられた通り、氷も投入。
味はクエン酸の酸味が強く、おいしくはないけど、そこまでひどくはありませんでした。
以前飲んだときは、もっと苦労した気がするんだけどなあ……
10分くらいであっさり飲めて拍子抜けです。
ちなみに、下剤を飲んだ後、異常にのどが渇いて、寝るまでにコップ2杯分も水を飲みました。
効果があらわれたのは夜中
病院の説明では、「マグコロールPを就寝2時間前に服用し、排便を済ませてからお休みください」と言われました。なので、便意が来るまで緊張しながら待っていたのですが……
2時間たっても便が出ない!
おなかが張った感覚はあっても、ガスが少し出るだけでした。
仕方がないので、そのまま布団へ。とりあえず眠りにつきました。
結局、最初の排便があったのは夜中の1時半。
下剤を飲んで5時間ほど経ってからです。
突然おなかがゴロゴロと鳴り、慌ててトイレに行くと、液体状の下痢が出ました。
それから1、2時間おきに下痢が出て、朝7時に起きるまでにトイレに行った回数はなんと5回!
ほとんど眠れませんでした。
念のためオムツをはいて病院へ
朝起きてからも家を出るまでに3回くらいは下痢が出ました。脱水症状にならないように水を飲んでいたのもありますが、それにしても多いですよね。
おなかが落ち着いてから病院に向かおうと思っていましたが、なかなかその気配がないので、あきらめてタクシーを呼ぶことに。
万が一に備えて買っていた、大人用のオムツを履いて行きました。
心配はしたものの、何事もなく病院について一安心。
タクシーの方に迷惑をかけずに済んでよかったです。
いよいよ下剤(モビプレップ)スタート!
自分で水を用意するように言われたので、病院に到着してから、売店でペットボトルの水500mL (常温)を2本買いました。受付を済ませたのはだいたい9時くらい。
ところが、混んでいたせいもあって、なかなか下剤の準備ができず……
ようやく名前を呼ばれたのは10時過ぎでした。
下剤を飲む場所として案内されたのは、採血を行う処置室の隅にあるスペース。
簡単なイスと台が並べてあり、そこで腸の洗浄剤(下剤)であるモビプレップを渡されました。
台にはトレーが置かれ、その上には2リットルほどのモビプレップの他、紙コップ2つとトイレの回数を記入するためのボードとペン。
準備が整い、いよいよ下剤スタートです!
昔より下剤の味がよくて感動
下剤の前に、水をコップ2杯飲むことになっていましたが、待ち時間のうちに飲んでいたのでスキップ。しかし、最初にガスコンという薬を2錠飲まなければいけませんでした。
僕は食道に狭窄があって、大きな錠剤がのめないため、わざわざ砕いてお湯に溶かしてもらうことに……
面倒な患者で申し訳ないです。
ようやくモビプレップを飲み始めたのは10時半。
コップ1杯(約180mL) あたり10分のペースで飲み進め、1時間かけて6杯(約1リットル)飲むのが目安だと説明されました。
看護士さんが、「1時間くらいしたら様子を見に来ますね」と去って行くのを見届けてから、緊張の1口目。
味の感想は……思ったよりまずくない!
僕が昔、大腸内視鏡で飲んだ下剤(ニフレック)と比べると、明らかに飲みやすくて感動しました。
そのときは病院で黒飴まで渡されていたんですけどね……
もちろん、おいしいとはいえませんが、1杯目は割と楽に飲みきれました。
製薬会社さんの努力に感謝ですね。
ちなみに、味はぶどうジュースみたいな合成の甘さ。
さらさらとはしておらず、少し重さを感じました。
トイレに行き過ぎて肛門が痛い
最初に下痢が出たのは、モビプレップを飲み始めて5分くらいのとき。ただ、前日の下剤の影響もあるので、1回目はモビプレップの効果ではないかもしれません。
その後、途中からは明らかに「洗浄剤が効いてきたなあ~」と思うような大量の液体が出始めました。
そこでつらかったのが、肛門の痛さ。
何度も液体を出しているせいで、紙で拭くときはお尻がひりひりしました。
途中気分が悪くなったけど……
下剤を飲んでトイレに行くのを繰り返していると、2杯目の途中(約300mL)で気分が悪くなってきました。まるで車に酔ったみたい……
実は、以前下剤を飲んだ時も気持ち悪くなったことがあり、そのときは脱水が原因でした。
なので、今回もきっと脱水症状だろうと思い、とりあえずコップ半分ほどの水を飲み、その後は下剤と水を一口ずつ交互に飲むことに。
すると、みごとに気分が回復!
やはり、何度も下痢をしたせいで、水分が足りなくなっていたようです。
みなさんも、大腸検査で下剤を飲むときは、水分補給を忘れずに!
看護士さんのチェックが厳しい
下剤を800mLほど飲み終え、排便回数が10回を超えたところで、看護師さんによる便のチェックを受けました。トイレをした後、「検査で使用中です。他をお使いください」と書かれた紙をドアにかけて待機。
受験の合格発表みたいで緊張しました。
しかし、結果はなんと不合格!
やってきた看護士さんは、便を確認すると、「こういう粒々があるとダメなんですよ」と冷たい口調で説明して去っていきました。
自分では透明になったと思っていただけに残念です。
15回目でやっと合格!
結局、OKが出たのは、15回目の排便のとき。ちょうど、モビプレップ1リットルを飲み終えたところでした。
このときの看護士さんは、先ほどとは違う人で、「はい、透明になりましたね~」と軽い感じでチェックが終わりました。
どうやら看護士さんによって、厳しさがだいぶ異なるみたいです。
いずれにせよ、最大の心配事であった下剤が終了して、ものすごくホッとしました。
検査までの待ちが長い
下剤を飲み終わったのがだいたい1時半。検査の予約は2時からだったのですが、当然そううまくいくはずもなく、1時間以上待たされることに……
その間もおなかは不安定で、3回はトイレに行きました。
ようやく検査に呼ばれたのは3時ごろ。
まずは上半身だけ検査着に着替えました。
その後、処置室で点滴を付けてから、点滴台を引きずって内視鏡室へ。
内視鏡室で看護士さんが準備をしている間にも再びトイレに行きました。
その時は、点滴台がドアに引っかかって、中に入らず大慌て。
結局ドアを開けたまま排便をすることになり、誰か入ってこないかと恥ずかしかったです。
内視鏡室に呼ばれると、お決まりの名前と生年月日の確認。
腕時計を外し、下半身も検査用の穴が開いたズボンに履き替えました。
それから検査台に横たわり、血圧の測定。
先生がやってきて、やっと大腸検査が始まりました。
鎮静剤は効かず、映像を眺める
僕は病院で検査を受けるときは、毎回鎮静剤を打ってもらうのですが、ものすごく眠くなるときと、全く効かないときがあります。今回は、残念なことに効果無しでした。
鎮静剤を打ったときの腕の痛みの方がひどかったですね。
点滴のチューブの途中から入れているのに、刺されるような感覚があるので不思議です。
ただ、鎮静剤が効かなかったおかげで、検査中も自分の腸内の映像をじっくり見ることができました。
前回入院したときには炎症性のポリープがたくさんあったのですが、それがかなり消滅していてびっくり。
あまりに改善していて、先生も驚いた様子でした。
正直、大腸検査はもう絶対に受けたくないと思っていましたが、こうして治っているのを自分の目で見て確認できるのは楽しいですね。
内視鏡は痛くない!
覚悟していた内視鏡の痛みですが、今回はとても楽でした。これまでの検査は涙が出るほどの激痛だったんですけどね。
腸の状態が良ければ、内視鏡自体は痛くないみたいです。
もちろん、カメラを入れる違和感や気持ち悪さはありましたが、それでも、落ち着いて腸の映像を眺められるレベル。
やっぱり一番きつかったのは、下剤を飲んでトイレに行くところでした。
安静は無し
鎮静剤を使用した場合、検査の後には普通1時間ほどの安静時間があります。しかし、今回は僕の意識がはっきりしていたため、そのまま検査結果の説明になりました。
検査中も自分で画像を見ていましたが、改めて先生の口から症状の回復を聞いて一安心。
無事に検査が終了しました。
病院を出たのは5時過ぎ
先生の問診の後、クローン病の注射(ステラーラ)を打ってもらい会計へ。それから薬局で薬を受け取り、帰りのタクシーに乗ったのは5時半でした。
朝9時には病院についていたので、8時間以上かかったことになりますね。
もし安静時間があったらどうなっていたか……
大腸の内視鏡検査を受けるときは、1日丸ごと潰れるのを覚悟しておきましょう!
検査後は味覚が敏感に
内視鏡を受けた日の夜は、普通にご飯を食べました。すると、なぜか料理の味がめちゃくちゃ濃い!
焼いたブリの切り身、ごはん、味噌汁、ブロッコリーというシンプルなメニューだったのに、一つ一つの食材の風味が異常に強く感じられました。
下剤のせいで舌がおかしくなったのか、おなかがすき過ぎて味覚が敏感になったのか……
ただ、それも翌日の朝までで、お昼ごはんからは普通に戻りました。
なかなか面白い現象でしたね。
検査後の経過
僕が心配していたのが、検査後の体調。便が下痢になって戻らないんじゃないかとドキドキしました。
しかし、実際はそんなことはなく、みごとに回復!
さすがに翌日は少なめの軟便でしたが、2日後の朝からは通常の硬さの便になりました。
ちなみに、腸が活発になったせいか、おならの回数が一時的に急増。
痛みや出血はなかったので良かったです。
次回への教訓
最後に、次回大腸の内視鏡を受けるときに覚えておきたいことをまとめておきます。①:下剤(腸の洗浄剤)は病院で飲む!
今回実感したのが、トイレ回数の多さ。病院に到着してから検査までの間に20回以上は排便がありました。
もしこれを家でやっていたら……
トイレットペーパーや流すのに使う水の量を考えるとぞっとします。
それに加え、大量の下剤を飲んだ後は、病院に向かうのは至難の業。
途中で漏らしてしまう可能性が大ですね。
家か病院かで選べるなら、下剤は絶対病院で飲むべきです。
ちなみに、病院のトイレは思ったよりすいていました。
病院で便器に座る男性は少ないのかな?
②:水はたくさん飲む
下剤を飲むときに気を付けたいのが脱水症状。大量の下痢には、下剤だけでなく体の水分も含まれます。
下剤だけでもおなかがきついかもしれませんが、水は多めに飲みましょう。
検査前に倒れるよりはましですよ。
③:点滴は検査の直前に付けてもらう
看護士さんに便をチェックしてもらって下剤を終了しても、下痢はすぐには止まりません。点滴を早めにつけてしまうと、それから検査までの間、トイレに行くのが大変です。
点滴台を引きずるのも面倒だし、トイレの扉が閉まらない可能性もあります。
看護士さんに頼んで、点滴は内視鏡が始まる直前に付けてもらいましょう。
さいごに
大腸の内視鏡はハードな検査ではありますが、終わった後には心も体もすっきりします。自分の腸の中を見られるのも、なかなか貴重な体験です。
これから検査を受ける人は、ぜひ楽しんで乗り切ってください。
健闘を祈ります!