西岡壱誠さんの『東大作文』を読みました。
本屋さんでパラパラめくっていたら、自分の悩みがズバリ指摘されていて、思わずレジへ。
東大系の本には抵抗があった僕ですが、この一冊でちょっと見方が変わりました。
あらすじ・概要
著者の西岡さんは、偏差値35の状態から2度の浪人を経て東大に合格した現役の東大生。受験生活の中で身に付けた伝わる文章の書き方を解説しています。
彼の文章術のポイントは、読者の視点を取り入れて、「双方向性」を意識すること。
読み手の気持ちを想像することで、文章力だけでなく、思考力も鍛えられます。
タイトルからはつい入試対策をイメージしてしまいますが、ブログやSNS、報告書など、あらゆる「作文」に使える方法です。
手順に従うだけでサクサク文章が書けるので、「一行書いたらまた次の一行に詰まる……」と悩んでいる人にはぴったり。
いい意味で素人感のある文体で、これなら自分にもマネできそうだと思える内容でした。
感想・レビュー
型は必ず1つに決める
「東大作文」では、まず自分の言いたいこと(主張)と目的を作り、基本の型のどれかに分類するところから始めます。型は、読者に求める行動(インプットかアウトプット)とそれを促すための手順(共感か納得)によって、
・感情型
・共有型
・要望型
・警鐘型
の4種類です。
詳しくは本を読んでほしいのですが、大事なのは、必ず型をどれか1つに絞ること。
それによって文章の方向性が定まり、説得力と書きやすさが格段に上がります。
たとえば、僕はこれまで本のレビューを書くときに、本をすすめたいのか、内容を知ってほしいのか、感想を言いたいのかがあいまいで、文章を考えるのにとても苦労していました。
もちろん、ほかの要素を完全に排除する必要はありませんが、メインの軸を決めることで、自分にも相手にも理解しやすくなるというわけです。
ちなみに、この記事に関しては、「共有」型で書いています。
僕の感想を交えつつ、「東大作文」がどんな本なのかを理解してもらうのが目標です。
1人ディベートで文章に説得力を
「東大作文」で文章を作る全体の手順は次のようになっています。・あとがき作り
・目次作り
・1人ディベート
・質問トラップ作り
・枝葉切り
この中で、文章に双方向性を持たせる肝になるのが、1人ディベートです。
1人ディベートとは、主張に対する読者のツッコミ(反論)をあらかじめ想定して、文章に組み込んでしまうというもの。
「たしかに…」、「もちろん…」などと、一度自分の弱みを見せてから補強することで、文章に説得力が生まれます。
これ、小論文の書き方としてはありきたりですが、普段の文章で応用している人は少ないんじゃないでしょうか?
実際にやってみると、文章にリズム感が出て、伝わりやすさだけでなく書きやすさもアップします。
本書では、具体的な実践方法や言い回しのパターンも解説されているので、ぜひ試してみてください。
さいごに
今まで読んだ文章本では、よく「語りかけるように書きましょう」と説明されていたのですが、どうすればいいのかわからず悩んでいました。それが「東大作文」では具体的な手順に落とし込まれていて、静かに感動しています。
個人的には学校の教科書にも取り入れてほしいレベルですね。
ブログなどでどんどん実践して、文章力の向上を目指します!