クローン病の治療で食事制限をしていると、どうしようもなく悲しくなるときがよくあります。
何でも自由に食べられていた過去の自分と、つい比べてしまうんですよね。
でも、これってそんなに悪いことなんでしょうか?
つらさを感じるのは、むしろ幸せなのではないかと思います。
「幸せな過去がある」という幸せ
当たり前のことですが、食事制限で悲しい思いをするのは、それ以前に好きなものを食べていたからです。過去には必ず、食事を楽しんでいた自分がいるはず。
ずっと幸せだったからこそ、今の状況がよりつらく感じるのです。
もちろん、一生自由に食事ができたなら、それに越したことはありません。
でも、「幸せだった」事実は、決して消えない人生の大切な一部分です。
旅行に行ったり、友達と遊んだりした思い出と同じく、おいしいものを食べた記憶も、貴重な財産。
食べられない今がマイナスなのではなく、自由に食事ができた過去がプラスなのです。
他人の幸せも自分の幸せ
自分の状況を他人と比較してしまうときにも、この考え方が使えます。食べられない自分がマイナスなのではなく、自由に食事できる周囲の人々がプラスだというわけです。
たとえば、食事制限中に、人が目の前で揚げ物やアイスクリームを食べていたら、イラっとしますよね?
そんな時は、世界にまた一つ笑顔が増えたと考えてみてください。
なんだか気分が前向きになりませんか?
他人が幸せを得たからといって、その分自分が不幸になる必要はありません。
どうせなら、逆に幸せを分けてもらう方が得策です。
精神論ばかりになりましたが、気持ちは意外と重要です。
いくら頑張っても、食べ物の話題を完全に避けることは至難の業。
考え方をマイナスからプラスに変えて、受け流しましょう!
さいごに
僕はかなり長い間食事制限をしていますが、昔食べたものの味は、今でも鮮明に覚えています。「職歴」ならぬ「食歴」ってやつですね。
履歴書には書けませんが、頭に刻み込んで一生なくさないようにしたいです。