消化器官に負担をかけずに、カロリーやビタミン・ミネラルを摂取できる栄養剤、エレンタール。
クローン病や潰瘍性大腸炎などのIBD患者には、切っても切れない存在です。
でも、エレンタールの情報って、自分で調べないとなかなか出てこないんですよね。
僕も患者として、疑問を解決するために、あれこれ検索して面倒でした。
そこでこの記事では、病院ではあまり教えてくれない、エレンタールの基礎知識をまとめました。
エレンタールを利用している人、これから飲むかもしれない人は、ぜひ参考にしてください。
エレンタールは処方薬
まず、患者が絶対に知っておくべきなのは、エレンタールが処方薬だということ。病院のお医者さんが書いた処方箋がないともらえません。
足りなくなったとしても、勝手に薬局では購入できないので注意しましょう。
もちろん通販でも買えません。
不安な人は、担当の先生に多めに出してくれるよう相談するのがおすすめです。
もちろん、余ったからといって人にあげるのもNG!
頼まれても飲ませてはダメです。
エレンタールの値段(薬価)は?
エレンタールの値段(薬価)は1gあたり5.75円。ボトル一本分は80gなので、460円になります。(2019年1月時点)意外と高いんですよ、エレンタールって。
3割負担だとそこまで感じませんけどね。
患者として、自分に処方されている薬の値段は把握しておきましょう。
ちなみに、クローン病の治療薬は高額なものが多く、僕がいま使っているステラーラは1回(注射2本)あたり薬価が80万円もします。
もし指定難病の医療費補助がなかったら……
日本の保険制度に感謝です。
主成分のマルトデキストリンはネットで購入可能
エレンタールの主成分は、マルトデキストリン(粉飴)という糖質です。これは、デンプンをブドウ糖に分解する途中のもので、消化の負担が少なくて済みます。
デンプンエレンタールは処方箋がないともらえませんが、マルトデキストリンはネット通販などで購入が可能。
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デキストリン
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マルトデキストリン(粉飴)
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麦芽糖(水飴)
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ブドウ糖
一般的には、筋トレ後のエネルギー補給や、食が細くなった高齢者のカロリー摂取に利用されています。
まあ、あまりおいしくはないですけどね。
エレンタールがどうしても無理な人は、ビタミン剤などと一緒に飲んで代用するのもありだと思います。
関連記事:【注意】マルトデキストリンを飲むと虫歯になりやすい!対策を紹介します。
乳糖が使われている
残念なことに、エレンタールには乳糖が入っています。正直、腸に問題のある患者が飲むんだから、そこは配慮してほしいですよね。
エレンタールの副作用で下痢になるのは、乳糖のせいなんじゃないかとも思います。
とにかく、牛乳を飲んでおなかがゴロゴロしたり、ガスがたまったりする人は、乳糖不耐症の可能性があるので要注意!
症状がひどい場合は、事前に病院の先生に伝えておいた方がいいかもしれません。
関連記事:【注意】エレンタールには乳糖が入っている!乳糖不耐症なら気をつけよう。
人工甘味料も使われている
乳糖のほかに添加物として使われているのが、人工甘味料のアスパルテーム。エレンタールは継続に飲む場合もあるので、ちょっと心配ですね。
別に不安をあおるわけではありませんが、一応頭に入れておきましょう。
ちなみに、エレンタールの原材料や添加物はこちらのページで確認できます。(リンクが切れていたらごめんなさい)
【エレンタール配合内用剤の詳細情報】
フレーバーは無料
エレンタール本体の価格は高めですが、フレーバーは無料です。処方されたエレンタールの本数より多くもらっても問題ありません。
これは患者にとってはありがたいですね。
特に、エレンタールが初めての人は、味見用にいろんなフレーバーを少しずつ余分にもらっておくのがおすすめです。
たくさん頼んだからといって、薬局の薬剤師さんも怒りはしないのでご安心を。笑顔で渡してくれるはずですよ。
また、エレンタール本体と同じく、通販での購入はできません。あくまでも薬の一部ということです。
たまにフリマアプリなどで見かけますが、買うのはやめた方がいいですね。
薬局で無料でもらえるものを他人に売るのは、どう考えてもまずいと思います。
関連記事:エレンタールのフレーバーはタダ! 少し多めにもらっておこう。
フレーバーの人気は「青りんご」が断トツ1位
看護士さんに聞いても、薬剤師さんに聞いても、フレーバーは「青りんご」が断トツで人気だそう。初めて飲むときにおすすめされるから、というのも大きいと思いますけどね。
実際に飲みやすいので異論はないです。
一応、エレンタールを作っているEAファーマのホームページによると、人気フレーバーのトップ3は以下の通り。
1位:青りんご
2位:グレープフルーツ
3位:ヨーグルト
個人的には、ヨーグルトだけは納得できないですね。
僕が一番好きなのは、パイナップル味です。
関連記事:【発表】やっぱりフルーツ系がおいしい!エレンタールのフレーバー、おすすめランキング。
ボトルタイプとパウチタイプがある
エレンタールには、粉が最初からプラスチックの容器に入ったボトルタイプと、袋に直接入れられているパウチタイプがあります。とくにこだわりがないのなら、僕のおすすめはボトルタイプ。
理由は次の3つです。
- 自分で容器を準備する必要がない
- ボトルは使い捨てなので、洗う手間がなく、衛生的
- メモリが付いていて、水を測らなくていい
まあ、一言でいうと、「楽」ってことですね。
もちろん、パウチに比べてかさばりますし、ごみも出ますが、そこはしょうがないです。
ボトルの処分の仕方は地域によって異なるので、きちんと調べておきましょう。(普通のペットボトルとは違う!)
関連記事:エレンタールのパウチタイプとボトルタイプはどっちがいい?おすすめはボトルタイプ。
さいごに
エレンタールに限った話ではないですが、薬について一番詳しくなるべきなのは、患者本人です。病院の先生や薬剤師さんがすべて教えてくれるわけではありません。
気になることは、自分で積極的に調べましょう!
みなさんの健康を祈ります。