長沢 朋哉さんの『世界一やさしい「思考法」の本 「考える2人」の物語』を読みました。
仕事の現場で使える物事の考え方について、小説形式で解説した本です。
僕は今のところ無職ですが、日常生活でも十分役に立つ内容でした。
あらすじ・概要
メインの小説は、とあるお菓子メーカーに勤める2人の物語。マーケティング部に異動してきた京子が、先輩の青木とともに、新商品のチョコレートの販売戦略を考えます。
ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングなどのテクニックを、登場人物が実際に使っていく様子を読みながら、思考法の基礎を学べます。
ストーリーの合い間には、作者による丁寧な解説があり、話についていきやすい親切な構成。
本の終わりには、思考法を学習するうえで参考になる書籍のリストが紹介されています。
感想・レビュー
小説のクオリティが高い
この本は、カテゴリーとしては「ビジネス書」に分類されるようですが、小説自体の内容も面白かったです。普通こういう本って、わかりやすくてもつまらないパターンが多いんですけどね。
恋愛要素があったり、プロジェクトを邪魔する人が現れたりして、最後まで楽しく読めました。
ラストシーンの演出も素敵で、爽やかな気分になれる終わり方です。
どうしてこんなに文章がうまいのだろう?と気になっていたら、「おわりに」で、作者が昔文学少年で物書きを夢見ていたと書かれていて、納得がいきました。
専門的な知識を違和感なく小説に落とし込めるのは、貴重な才能ですね。
「考える」ことは「決める」こと
この本は思考法について書かれた本なので、「考える」とは何か、という問いが繰り返し出てきました。著者の答えは、「考える」ことは自分の主張や意見を「決める」こと。
実にシンプルでわかりやすい解釈ですよね。
今まで「思考法」と聞いてもいまいちピンとこなかったのですが、「決めるためのテクニック」だと思うとしっくりきます。
僕みたいに優柔不断な人でも、思考法を勉強すれば、何でもスパッと決められるようになるかもしれません。
「伝える」より「動かす」
印象的だったのは、ビジネスの世界において、「伝える」ことはあくまでも手段であって、「意思決定」してもらうのが目的だということ。仕事で大切なのは、相手の「理解」ではなく「行動」だというわけです。
実は、以前読んだメンタリストDaiGoさんの『人を操る禁断の文章術』にも似たようなことが書いてあったのですが、切り口が違っていました。
DaiGoさんはメンタリストなだけあって、心理学的な観点からの解説。
一方、こちら本では、「論理的説得」と「情動的説得」という言葉を用いて、そのうち主に「論理的説得」の技法を示していました。
同じ話題について、異なるアプローチの説明を読んだことで、理解がより深まった気がします。
あとは得た知識を生かして、僕が「行動」するだけですね。
さいごに
『世界一やさしい「思考法」の本』では、思考法が実際の仕事でどのように使えるのかが具体的に描かれていて、とても参考になりました。チョコレートの企画は実際にありそうで、読んでいて楽しかったです。
僕も就職して、何か商品を開発してみたいなあ……
関連記事:【比較】AmazonのAudible(オーディブル)とKindle Unlimitedはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットまとめ。
関連記事:【必聴】面白くてためになる!Audible(オーディブル)で絶対聴くべきビジネス書おすすめ5選。