kemio(けみお)さんの『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』を読みました。
彼は昔テレビで見て以来、ずっと謎の存在だったのですが、やっと正体がわかりました。
ふざけているようでいて、ちゃんと周りが見えている人ですね。
あらすじ・概要
SNSやYouTubeの発信で注目を集めるkemioが、自身の生い立ちを振り返りつつ、仕事や恋愛、人間関係について語ったエッセイ。性別や世代の枠にとらわれない価値観を、独自のボキャブラリーで綴っています。
終始ハイテンションな文章につられて、読んでいるこちらまで元気になってしまう一冊です。
感想・レビュー
自由な文体にあこがれる
この本の特徴は、なんといってもその文体。「とりま」とか「秒」とか、文章の専門家が見たら怒り出しそうな表現がてんこ盛りでした。
「ちなみに」を「ちな」と略すのは、僕も知らなかったなあ……
でも、すごいのは、それが非常にわかりやすい文章にまとまっていること。
途中で詰まらずに読めて、一回で意味を理解できる、理想的な書き方になっていました。
やはり発信のプロなだけあって、どうすれば伝わるのか、感覚として身についているんでしょうね。
実は、僕もブログを書くときは、これくらいのテンションがいいなあ、と思っています。
ただ、自然体の砕けた口調で文を組み立てていくのは、いざやってみると意外と難しいもの。
とりま挑戦したこともありますが、秒で挫折しました(笑)
まさかのほぼ同世代
kemioさんの文章を読んでいて、「さすがSNS世代は違う」と感心していたのですが、よく考えてみると、学年は僕の1つ下!なんとほぼ同世代でした。
んー、一体どうしたらこんなに差がつくのか……
僕がスマホを手にしたのは、kemioさんの3年遅れ。ツイッターを開始したのは6年もあとでした。
あと、彼はPSP(ソニーのゲーム機)を使ってネットを閲覧していたそうですが、僕は同じことをやろうとして、あきらめた口です。
やっぱり、流行に対する執念が違うんですかね?
同じ時代に生まれても、環境や価値観によって、見ている景色は人それぞれです。
大切なのは「自分」と「今」
この本には、「自分」と「今」を大切にしようというメッセージが、随所にちりばめられていました。よく「自分の価値観で生きよう」といわれますが、kemioさんは批判にさらされた経験値が桁違い。
言葉に実感を伴った真実味がありました。
また、未来のことは未来の自分が責任を取るから、今の自分は責任をもって今を生きよう、という考え方も素敵です。
これだけはっちゃけていながら、30代になるのが楽しみと言えるのはかっこいいですよね。
未来の自分を信じて今を戦っていく姿勢は、ぜひ見習いたいところです。
口調は女子高生みたいだけど、精神年齢は僕よりずっと大人でした。
さいごに
ゆるゆると実家暮らしに甘んじてきた僕も、気づけば20代半ば。同世代の活躍を目にすると、いつも焦りを感じます。
でも、kemioさんの書いていた通り、人生は他人の基準では測れないもの。
僕は僕のやり方で、棺桶までのランウェイを駆け抜けます!