Audible(オーディブル)の「柳瀬博一のリベラルアーツ入門」で、橘玲さんのインタビューを聴きました。
橘さんはベストセラーになった、『言ってはいけない』や『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』の著者。
見て見ぬふりをしていた現実を突きつけられて、将来を悲観してしまうような内容でした。
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知能の個体差
橘さんはこれまでの著書の中で、人間の能力には努力で覆せない生得的な部分が多くあると述べています。このインタビューでは特に「知能」にスポットが当てられており、教育の無力さをはっきり断じていたのが印象的でした。
「生まれつき頭が悪い」なんて言うと差別的に聞こえますが、体格や足の速さにばらつきがあるのなら、知的能力にも個体差があると考えるのは妥当。
それに起因する経済格差がいつまで経っても解消されないのも、「平等な社会」が生物の本質に反しているからだとすれば、仕方のないことなのかなと思います。
僕たちはつい、生きづらさの原因は社会システムの不備にあると思い込みがち。
でも、本当に残酷なのは、人間の生物としての理なのかもしれません。
人生100年時代
インタビューの後半では、「人生100年時代」への対応策が議論されていました。橘さんの提案する人生戦略は、
・苦痛にならない仕事を見つける
・その仕事をできる限り長く続ける
といったシンプルなもの。
まあ、それが可能だったら苦労はしないですよね……。
こうした人生戦略に関する話は、仕事能力の高い人の口からばかり語られがちで、僕のような弱い立場の人間にはあまり参考になりません。
このAudibleの対談も「年収200~300万円くらいなら無理しなくても稼げるでしょ?」みたいなスタンスで、かなりの違和感がありました。
その金額すら手に入れるのが難しい場合、一体どうすればいいのか……?
「君レベルの視聴者は想定してないよ」と切り捨てられている気がして悲しいです。
あと、個人的には、僕らの世代が100歳近くまで生きられるのかが、そもそも疑問。
今のお年寄りと違って、若い世代は幼い頃から添加物入りの食べ物を摂取しているうえ、吸っている空気も汚め。
がんや肺機能の低下で、かえって全体的に短命になるんじゃないかと……。
とりあえず、僕はクローン病の治療で重い薬を使いまくっているので、長寿には期待せず、今を全力で生きることにします。
参考文献は大事!
橘さんが素晴らしいのは、本にきちんと参考文献を載せているところ。洋書や翻訳書だと当たり前なのに、日本人でやっている人が少ないのはなぜなんでしょう?
根拠のない情報にはSNSでうんざりなので、書籍くらいはエビデンスに基づいた、実のある知識を提供してほしいですね。
ちなみに、僕は参考文献として一般書が紹介されていたら、Amazonで検索してその概要を眺めるようにしています。
Amazonの商品ページは情報が見やすくまとまっていて、カタログとして便利です。
さいごに
インタビューでの橘さんは、冷静で落ち着いたしゃべり方で、僕の中でのイメージがだいぶ変わりました。橘さんの本のレビューを見ると、分断を煽っているとの批判もありますが、実際には「煽る」ではなく、整然と「諭す」という感じ。
文章を読むよりも声を聞く方が、人柄がよく伝わります。
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