AmazonのAudible(オーディブル)で、『池上彰の世界の見方 アメリカ』を聴きました。
この記事を書いている時点では、ちょうど2020年のアメリカの大統領選の決着がついたばかり。
トランプ大統領誕生前の解説を聴くと、なんだか感慨深いです。
池上彰の世界の見方 アメリカ: (小学館) Audible版 – 完全版
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アメリカといば大統領選
紙の本で『池上彰の世界の見方 アメリカ』が出版されたのは、2016年の大統領選が行われる少し前。
池上さんの言葉からは、とんでもない人物が大統領になってしまうかもしれない、というじりじりとした焦りが伝わってきました。
あの頃、本気でトランプさんが大統領になると思っていた人がどれほどいただろうか……?
池上さんの本では、いつもトランプさんの非常識な言動をバッサリと切り捨てている印象ですが、人気の高さや選挙での強さは甘く見ておらず、その冷静な視線には感心します。
本書では選挙の仕組みや大統領の立候補から就任までの流れが説明されていて、実際の大統領選と並行して聴くと一層理解が深まりました。
まあ、今回はコロナの影響とかトランプさんの抵抗とかで、例年通りのスケジュールで進むか怪しいですけど……。
「世界の見方」シリーズは時事ネタを多く取り扱っているにもかかわらず、数年経ってからでも役に立つので素晴らしいです。
州は「県」ではなく「国」
大統領選を通じてよくわかったのは、それぞれの州の独立性。
投票の受け付け期間や再集計の条件が州ごとにバラバラなのには驚きました。
池上さんが述べているように、アメリカの「州」は日本の「県」とは全く別の区分なんですね。
新型コロナ対策でも、政府の要請を州がはねつける場面が何度もあって、安倍さんの会見で国民が一斉に動いた日本とは大違いだなと思いました。
アメリカの州には一つ一つ個別に軍隊や憲法が存在していて、まさに「国」そのもの。
これからニュースを見るときは、日本の県の感覚でアメリカの国と州との関係を見誤らないように気を付けたいです。
さいごに
池上さんはアメリカ国内で分断が進むことを危惧していましたが、4年経った今、その心配は見事に的中してしまいました。
大統領選は外から眺める分には陣取りゲームみたいで面白いけれど、暴動がおこる現地での暮らしを想像すると恐ろしい……。
先進国とは思えない選挙の荒れ方からは、民主主義の危機を感じます。
一体アメリカはどうなってしまうのか?
大変な状況のなか新大統領に決まったバイデンさんにエールを送ります。