AmazonのAudible(オーディブル)で、安宅和人さんの『シン・ニホン』を聴きました。
このオーディオブック、なんと付属資料が199枚!
たくさんのデータから、日本の悲惨さが痛いほど伝わってきました。
シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 Audible版 – 完全版
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直視したくない日本の現状
『シン・二ホン』は、これからの「データ×AI」時代において、日本がどのように教育や産業を改革していくべきかを、国内外の現状を踏まえつつ論じた本です。
圧巻なのは、資料として掲載されている図表の量。
統計的なデータだけでなく、オリジナルのスライドも多数あり、著者の本気度がじりじりと伝わってきました。
同じようなテーマの本はよく見かけますが、安宅さんほど徹底的に日本の問題点を分析している人は他にいないでしょうね。
こんなに熱意を持った人が国に直接働きかけてくれていることは、非常に頼もしく感じます。
しかし、日本の抱える問題の根深さは、数年単位の施策では解決できないレベル。
安宅さんの提案する打ち手は本気を出せば実現可能な範囲内であるとはいえ、てこ入れが必要な箇所が多過ぎて気の遠くなる話でした。
そもそも、国の政策を決定する立場にいるお偉い方々があまりにも頼りない……。
いくら情報処理のスピードが上がっても、対応する意思決定が遅ければ、日本の時は止まったまま。
日本が「データ×AI」時代のスタートラインに立てるのは、既得権益や古い価値観にとらわれない若い世代がリーダー層になってからだと思います。
「風の谷」という希望
個人的に応援したいと思ったのは、最後の章で熱く語られていた、「風の谷」プロジェクト。
いわゆる「限界集落」のような地域を誰もが安心して快適に住める場所に作り変え、都市集中型の未来に代わる選択肢にしようというものです。
単なる「古き良き時代」への回帰ではなく、最新のテクノロジーを駆使した自然との共存を目指している点に好感を覚えました。
実現までに100年、200年スケールの時間を想定した壮大なプロジェクトですが、科学技術の進歩の一つの終着点として「風の谷」を思い描くことは、未来に対して明るい希望をもたらしてくれます。
ちなみに、僕は日本テレビの『所さんの目がテン!』でやっている「かがくの里」を見るのが好き。
里山のように、自然と人の手が適度に融合した空間って心地いいですよね。
「風の谷」プロジェクト、もっと盛り上がってほしいです。
さいごに
『シン・二ホン』は付属資料がめちゃくちゃ多く、紙にプリントアウトしたら、片面6分割の両面刷りで17枚になりました。
通常は音声のみのオーディオブックでこんなに視覚情報がもらえるなんてありがたいですね。
聴きながらたくさんメモを書き込んだので、後でゆっくり見返します。