【洋書レビュー】南の島をHeffley一家が駆け抜ける Diary of a Wimpy Kid: The Getaway (Book 12) [ Jeff Kinney (著) ]

【洋書レビュー】南の島をHeffley一家が駆け抜ける Diary of a Wimpy Kid: The Getaway (Book 12) [  Jeff Kinney (著) ]

今回読んだのはJeff KinneyのDiary of a Wimpy Kid: The Getaway

「ダメ日記」シリーズの12巻目です。

1冊丸ごと南の島への家族旅行の話でした。



基本情報

タイトル:Diary of a Wimpy Kid: The Getaway (Book 12) 
著者:ジェフ・キニー(Jeff Kinney)
出版年:2017年
読んだ形式:ハードカバー
ページ数:217
和訳:『グレッグのダメ日記 にげだしたいよ!』(ポプラ社)


あらすじ・概要

クリスマスシーズンを両親の思い出のリゾート地で過ごすことに決めたHeffley一家。

雪の降る真冬のアメリカ本土を離れ、暖かな南の島へ。

しかし、当然のことながら、彼らの旅行はトラブルの連続。

飛行機が遅れたり荷物を間違えたりする「旅行あるある」から、リゾート施設全体を巻き込む大騒動まで。

大変だけど笑ってしまう、ドタバタ家族旅行記です。


感想・レビュー

旅先でも逃げるHeffley家

タイトルの「The Getaway(脱出)」は、普通なら「都会の喧騒からバカンスへの逃避行」という風に捉えるところですが、本編を読むと違った意味が見えてきます。

そう、Heffley家はガチで「逃走」するのです。

旅行中は気持ちや行動がバラバラだった家族も、逃げるときには一致団結。

一度リゾートから追い出されたのに舞い戻ってくる勇気はあっぱれで、再潜入を決めた両親も、それに乗り気で従う子どもたちもたくましいなと思いました。


というわけで、今作の個人的なハイライトは以下。(p.15, 196より引用、訳は僕)

"when Heffleys get in trouble, Heffleys RUN"
(トラブルに遭遇したとき、Heffley家は逃げる)

Heffley家がうっかり犯罪行為をしてしまう展開は以前にもあったけど(たしか9巻あたり)、旅行先の南の島でまでやらかすとは恐れ入ります。


ちなみに、物語の舞台である「Isla de Corales」は架空のリゾート地。

念のため地図で探してみましたが、やっぱり見つかりませんでした(笑)

Isla de Coralesはスペイン語で「サンゴの島」という意味。「Isla de ○○」と名前のついた島は大西洋沖などにたくさん存在します。


気になった英語

読んでいて思わず手が止まったり、辞書で調べたりした英語表現を挙げておきます。

make a killing「一発当てる、大金をつかむ」(p.28)

アメリカ英語の口語表現。

killという単語は口語だとポジティブな意味合いで使われることが多いですね。

靴下乾燥装置は学校や会社にあったら便利で儲かりそう。(衛生面は心配)

critter「生き物、動物」(p.128)

アメリカ英語の方言で、creatureとほぼ同じ意味。

南の島では生き物がたくさん登場して、知っているものでも、英語での呼び方は新鮮でした。

・stingray「アカエイ」(p.167)
 →英語だと危ない生き物なのが一目瞭然。直訳すると「刺すエイ」って怖いな。

・box jellyfish「ハコクラゲ」(p.169, 178)
 →グレッグによると「世界で最も有毒な生物」らしい。バケツに入れたManyは勇者。

・sea horse「タツノオトシゴ」(p.173)
 →勝手にsea dragonでもいいと思っていたのですが、調べてみると実は別の種。つまり、ポケモンの「シードラ」はタツノオトシゴではない!

hightail「急いで走る、逃げる」(p.211)

日本語の「尻尾をまいて逃げる」をそのまま直訳したような単語。

実際のところ、英語の語源も小動物が尻尾を立ち上げて逃げる様子からきています。

今回のHeffley一家は逃げてばかり。特にグレッグは頑張ってました。


さいごに

僕はDiary of a Wimpy Kidシリーズを図書館で借りて読んでいて、途中の巻がなかった場合は飛ばして次の巻を借りています。

そういった事情で、実は12巻より13巻の方が読了したのが先。すでにレビューも書いています。


どこから読み始めても面白いのが、このシリーズのすばらしさ。

図書館や本屋さんで見つけたら、どの巻でもいいのでぜひ手に取ってみてください。


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