【洋書】チェスの世界も仲間は大事。Walter Tevis著『The Queen's Gambit』を読んだ感想。

Walter Tevisさんの『The Queen's Gambit』を読みました。

ネットフリックスで映像化され話題になっていたので最近の作品なのかと思っていたら、書かれたのは1983年。

英語には昔っぽさを感じず、ほぼ読み終わった段階で出版年を確認し、「古っ!」となりました。


Walter Tevis (著) Weidenfeld & Nicolson (2016/4/14)

チェスの対戦の描写はかなり細かく、チェスのルールを全く知らない人は読むのがしんどいかもしれません。

僕はコンピュータの最弱レベルを倒せるくらいのチェスの腕前ですが、文章からすぐに頭の中に盤面を再現するのは無理。

実際に駒を並べるのも面倒だったので、なんとなくの流れだけを追っていきました。

それでも、盤面の見方や戦況の判断の仕方などは、素人とは視点が違って面白かったです。


印象的だったのは、天才的な直感タイプのプレイヤーでも、チェス雑誌で棋譜を研究したり、仲間と差し手を議論したりしていたところ。

世界大会でも試合の途中で日をまたぐときは各陣営で次の一手を考えていて、レベルが高くなってくると、孤高の一匹狼スタイルではやっていけないんだなあ、と思いました。


物語の展開としては、主人公のベスが強すぎて、逆に心配に。

もしかして無敗のまま突き進んでしまうのではないか、と。

結果、さすがに途中で何度か負けていましたが、20歳になる前に強敵を倒して終わるスピード感には圧倒されました。

後から出てきた若い才能に嫉妬したり、酒におぼれたり、人生の前半戦にいろいろ詰め込み過ぎなチェスクイーン。

それに対して、もうすぐ30近い僕はこんなゆるゆるで大丈夫かと、なんだかあわあわしています。

ベス「チェックメイト!」

僕「ぐはっ!」


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