「少食が体にいい」という当たり前で残酷な現実

IBDの診断を受けてから現在に至るまで、数々の健康法を試してきた。けれど、毎回同じようなルートをたどり、ひとつの結論にたどり着く。

結局、少食に勝る健康法はない。(もちろん量だけでなく、何を食べて何を避けるかも重要)

他のIBD患者さんにも当てはまるのかは不明だが、僕の場合は食事量を増やすと如実に症状が悪化する。サプリもヨガも効果はあったが、あくまでも少食が前提。「これなら治るぞ!」と思っても、食い意地を張るとまた腹痛や下痢がひどくなる。

少食で体調がよくなることがはっきりしているのは、うれしいようで悲しい。少食が体にいいなんて当たり前なのに守れないのは、ダイエットに失敗する気持ちとたぶん似ている。「好きなものを食べたい」とか「体重を増やしたい」とかいう自分の願望に反しているから、何か別の解決方法があるのではないかと、わかりきった答えを見て見ぬふりをしてしまう。

少食を維持し続けないと体調を保てない事実は「治ったら○○を食べよう」というような希望を容赦なく打ち砕いてくる。終わりのない食事制限はつらい。

ただ、少食さえ守り抜けば、意外とクローン病も怖くはないのかな、とも思う。実際、かつては何度も寝たきりになるほどの体調不良とステロイドの使用を繰り返していたが、入院をきっかけに本気で食事を見直してからは、4年以上、大きな悪化は起こっていない。

これ以上病院のお世話になりたくないのなら、「食事を捨てる」とまではいかなくても、「いつか普通に食べれるようになる」という甘えは捨てるべきなのかもしれない。症状安定→調子に乗って食べ過ぎる→症状悪化→少食→改善、のループから早く抜け出さないと、そのうち取り返しのつかないことになりそうだ。

自力で立ち上がることもままならなかった入院時を思えば、半日でも仕事ができている今は奇跡に近い。この日常を食欲なんかに壊されていいのか?現状のありがたみを再確認して、迷いなく最善の道を選択できる自分でありたい。


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