「ここにはいってはいけません」という看板

家から職場まで行く道の途中に変電所がある。裏口の門には錆びた古い看板がかけられていて、次のような警告が書いてある。

「ここにはいってはいけません」

あなたはこれを読んで、頭の中でどう漢字に変換しただろうか?

上の文は、「ここに入ってはいけません」とも「ここには行ってはいけません」とも読める。

どちらの解釈でも、結局は「ここから先に進んではいけない」という意味になるから、警告の意図は伝わる。

しかし、僕はいつもこの看板を目にするたびに2通りの読み方が頭に浮かんで、量子の重ね合わせみたいな不思議な感覚に陥ってしまう。

どちらが正しいのかは、観測した瞬間まで決まらないのかもしれない。答えは人それぞれ、ということにしておこう。