【短歌日記】「ありがとう」思っているか本心か関係ないね言えば真実

「ありがとう」思っているか本心か
関係ないね言えば真実


長く働いていたベテランさんが職場を去るため、寄せ書きの案内が回ってきた。といっても、渡されたのは色紙ではなくQRコードシート。専用のサイトにWEB上からアクセスし、メッセージを書き込むらしい。なんとも今どきだなと思った。

スマホでコードを読み込んでページを開くと、すでに約20人分のメッセージが並んでいた。文字の色とフォントを選んで文章を入力すると、新たに枠ができて自分のメッセージが表示される仕組み。強制ではないと言われたが、字数制限(80字)ぎりぎりまで使って謝辞を述べた。

デジタルの寄せ書きは初めてだったが、ゆっくり時間を使って書けるうえ、書き損じを気にする必要もなく、非常に便利なサービスだと思った。名前は「yosetti(ヨセッティ)」というそうだ。ちょっとダサいながらわかりやすい、そのままなネーミングがいい。(PR記事ではない)

このような寄せ書きの際に「ありがとうございました」や「お世話になりました」と書いていると、なんだか言葉が白々しくて、本当に心の底からそのように思っているのか怪しくなってくる。しかし、人の気持ちなんて曖昧なもので、確かな正解があるものではない。むしろ普段は「心」自体存在しなくて、言葉にした瞬間に初めてそう思っていたことになるのではないかとすら感じる。