「満足できなかったら全額返金」を実際に行動に移す人が少ない理由。面倒くささのハードルは高い。

お金と手間の価値関係_感想・レビュー_実験思考_「満足できなかったら全額返金」を実際に行動に移す人が少ない理由。面倒くささのハードルは高い。


光本勇介さんの『実験思考』を読みました。

この本の面白いところは、内容よりも料金設定。

電子書籍版は無料で読めて、後から自分の好きな金額を支払うという仕組みです。

今回は、商品を買った後のお金のやり取りについて考えたことを書きます。




お金よりも手間が惜しい

『実験思考』を通して驚いたのが、自分の中でのお金に対する価値観。

僕はこの本を読み終えたとき、最初は「1500円くらいなら払ってもいいかな」と思いました。


ところが、いざ支払い画面を開くと、入金方法はクレジットカードだけであることが判明。

番号などの情報を入力するのが面倒で、結局お金を払わずじまいに……

つまり、5分もかからない作業が、1500円を失うことよりも嫌だったという話です。


時給1500円のバイトがあったら喜んでやるはずなのに、なんだか不思議じゃないですか?

同じ金額でも、一度仕事から切り離されると、時間や手間との価値関係が変わるんです。


Amazonは「1クリック」を減らすことに全力を捧げているそうですが、その大切さがよくわかりました。



全額返金キャンペーンも同じ

お金より手間が惜しくなるのは、逆のパターン(払うのではなくもらう場合)にも当てはまりそうです。

たとえば、満足できなかったら全額返金、というキャンペーン。

実際に返金を求める人が少ない理由は、戻ってくるお金に対して、手間をかけるだけの価値を感じられないからなんでしょうね。

一度は自分で購入できるレベルの金額ですし。

もちろん、「図々しくなれない」など他にも要因はあると思いますが、単純な面倒くささが行動へのハードルを押し上げていると思います。


ここまで書いた内容から言えるのは、消費者にお金を使わせたいなら、

① 商品を無料であげる
② 気に入ったら支払い

よりも

① 商品を購入
② 気に入らなかったら返金

の方が有効だということです。

とにかく相手にしてほしくないアクションを後に持ってくるのがポイントですね。


さいごに

『実験思考』には面白いビジネスのアイデアがたくさん載っていて、無料で読むのが申し訳ない内容でした。

実際のところは、お金、払ってないんですけど(笑)

著者もタダ読みが大量に出ることは予想しているはずなので、笑って許してくれるでしょう!