クローン病患者向けの書籍やウェブサイトを見ていると、
「適切な治療を行えば、普通の人と変わらない生活が可能です」
みたいな励ましの言葉が載っています。
この表現、なんだか好きになれないんですよね。
全然普通じゃない!
別に悪意のある言葉ではないのに、どうしても引っかかるのは、僕が全然普通に生活できていないから。体調が不安定で人との予定を立てるのが難しいし、就活も頓挫して今もまだ無職だし……
クローン病のせいで、人生計画がだいぶ狂いました。
発症した当初は、まさかここまで大変になるとは思いませんでしたね。
最近になってようやく症状は落ち着いてきたものの、それはあくまでも体の状態に限った話。
定期的な通院や検査、治療の精神的、経済的負担を考えると、全く普通とは呼べません。
かえって無理する原因に
患者を元気づけるために「普通に生活できる」と言っているのでしょうが、「普通に生活しなければならない」とも受け取れてしまい、僕にとっては逆効果でした。クローン病で体調が悪くても、周りと同じように学校に通えるはずだと思い込んで、つい無理をしてしまったんですよね。
他の患者さんにも、中途半端に「大丈夫」と励まされたせいで、かえってきつい思いをしている人は多いんじゃないでしょうか?
僕は不器用なタイプなので、臨機応変に授業を休んだり、人付き合いを調節したりするのが苦手です。
でも、もし最初からクローン病が深刻な病気だと理解していれば、体を気遣うこともできたはず。
「病気でも普通に生活できる」よりも「人とは違うから休みなさい」とはっきり忠告してくれた方がありがたいです。
さいごに
クローン病だと診断されたとき、病院の先生からは、「数年後にはきっと笑い話になってるよ」
と言われました。
しかし、それから5年以上経った現在も、ずっと悩みは尽きません。
本当に「普通」の生活を送れるようになるのか、未来の自分に一度尋ねてみたいです。