丸岡いずみ『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』を読んだ感想。アナウンサーの仕事はうつ病より壮絶。

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丸岡いずみさんの『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』を読みました。

アナウンサーの仕事って、想像以上に大変なんですね……

あらすじ・概要

元アナウンサーの丸岡いずみさんが、自身のうつ病体験について語った本。

うつ病の発症から、無事回復するまでの経緯が、体調や心の動きの変化とともにまとめられています。

アナウンサー時代の仕事についても書かれていて、うつ病だけでなく、丸岡さんの半生を知ることができる一冊です。


感想・レビュー

薬がよく効くパターンもある

うつ病の体験談に関しては、「こんなに治療がうまくいく場合もあるんだな」というのが、率直な感想です。

丸岡さんがつらかったのは百も承知ですが、やはり恵まれたケースですよね。

支えてくれる人がいて、経済的に余裕があって、帰れる実家があって……


なによりラッキーなのは、薬が劇的に効いていること。

うつ病といえば、薬を飲んでも効果がなく、治るまで何年もかかるイメージだったので、逆に新鮮でした。

「病院に行っても無意味」というのは、完全に僕の思い込みでしたね。

本やネットの体験談では、治療が難航するパターンが多く、医療に対して不信感を抱きがち。

この本はタイトルに「行ってきた」とあるように、闘病記としては比較的あっさりした内容でしたが、そのおかげで自分の中にある偏見に気づけました。

アナウンサーは超人!?

うつ病以上にインパクトが強かったのが、丸岡さんの仕事の大変さ。

アナウンサーって、単に原稿を読むだけじゃないんですね。

警察から情報を聞き出すために張り込みをしたり、震災の被災地では生々しい死体を目にしたりと、取材の壮絶さに圧倒。

正直なところ、取材交渉は他の人がやっていて、ロケもお飾り程度なのだろうと舐めてました。


まさかテレビで見せる笑顔の裏で、そんなハードに動き回っていたとは……

そりゃあ、うつ病になってもおかしくないですよ。

丸岡さんは特殊な例かもしれませんが、僕の中での「アナウンサー」への見方は確実に変わりました。

クローン病とうつ病の共通点

僕はクローン病患者なので、病気関連の話を読むと、つい自分の状況と比べてしまいます。

うつ病はクローン病と同じく、決定的な原因がわかっていないこともあり、いろいろ共通点がありました。


心の問題だと誤解されたり、薬に頼らず治そうとしがちだったり……

何より面倒なのは、人によって症状のばらつきが大きいこと。

「これだ!」とはっきり説明できないから、間違った情報が広まりやすいんですよね。


僕は、クローン病やうつ病は、「病気」というよりも、風邪をひいたときに出るせきのような「症状」だと捉えています。

せきの原因が肺炎かインフルエンザかで対応が違ってくるように、クローン病やうつ病も、患者がそれぞれ自分に合った治療法を見つけなければならないというわけです。

いずれにせよ、偏った考えに固執して、自己判断で暴走するのは危険。

まずは医師の意見に耳を傾けて、現状を客観的に把握することが大切ですね。


さいごに

僕の中では、丸岡さんは「映画コメンテーターである有村昆さんの奥さん」という認識でした。

この本では2人の馴れ初めについて書かれていましたが、とてもお似合いの夫婦ですね。

どうぞ末永くお幸せに!


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