2020年は本を100冊読むと決めたので、今年はブログに本の感想を書きまくるつもりでした。
ところが、1月にいきなり仕事が決定。
読書する時間はあるのですが、一冊一冊個別に記事を作成する余裕がなくなってしまいました。
そこで、今月からは仕切り直して、その月に読んだ本の感想を月末にまとめてアップすることにします。
無職から突然忙しくなったけど、きっと100冊はいけるはず!
※補足
タイトルの後ろに「Kindle Unlimited」と書いているのは、AmazonのKindle Unlimitedで読んだ本です。ただし、読み放題の対象は定期的に変わるので、ダウンロードの際は価格の表示をきちんとチェックしてください。
【Kindle Unlimited公式サイトはこちら】
本の感想(2020年3月)
ジョーカー・ゲーム(Kindle Unlimited)
5つの短編が収録されていて、1話目より2話目、2話目より3話目と後ろの話になるにつれて勢いが増していく印象でした。
追いつめられた主人公が、いかにして窮地を脱するのかが見どころです。
僕がいいなと思ったのは、スパイがみな国家への忠誠ではなく、自尊心をよりどころにして任務を遂行していくところ。
高度なスキルを持った天才たちが自分を信じて策を練り続ける姿は、読んでいて頼もしかったです。
スパイの絶対条件は、「何ものにもとらわれず、自分の目で世界を見る」こと。
かっこいいな……。
バズる文章教室
教科書的に良いとされる書き方とは真逆のパターンもたくさん出てきて、文章はもっと自由に書いていいんだよと、背中を押された気がしました。
読んですぐ生かせるようなテクニックばかりではないですが、少しずつ意識していけば、文章の質は確実に上がると思います。
って、僕が言っても説得力がないですね(笑)
いつか真似してみたいのは、さくらももこさんの章で出てきた「古畑任三郎」方式。
面白い出来事を面白いままに伝えられたら幸せです。
メールはなぜ届くのか
タイトルだけ見るとメールに特化した本っぽいですが、インターネット全般の知識について幅広く解説されています。
これまで曖昧だったサーバの仕組みやプロトコルという言葉の意味がわかりすっきりしました。
さすがに2014年に出版された本なので、一部情報が古い箇所がありましたが、おおよそは現在でも通用する内容。
進歩のすさまじいネットの世界でも、基本的なシステムはそう簡単には変わらないようです。
本書で「徐々に移行中」と書かれていた「IPv6」もいまだに一般には浸透していないので、いつ完全に切り替わるのか楽しみです。
不穏な眠り
一つ一つの事件が丁寧に作りこまれていて、短編ながらしっかりとした読み応え。
依頼を受けた主人公が実際に足を動かして真相に迫っていく展開は、ドラマの「相棒」に近いものがありました。
僕が「葉村晶」シリーズを読んだのはこれが初めてでしたが、各短編の冒頭に主人公の自己紹介があり、シリーズの最新刊だけ読んでも特に違和感はなかったです。
この本で独特だったのは、話の終わらせ方。
謎が解けてめでたしめでたし、とはいかず、毎回含みを持たせたゾクッとするラストで、不穏な余韻が残ります。
やっと事件の全容が把握できたと思った瞬間に作者に突き放される感覚は、他ではなかなか味わったことがありません。
灰だらけ姫(青空文庫)
舞踏会から慌てて帰ろうとした主人公がガラスのくつを落としていく、あの話ですね。
以前このブログでAudibleのバッジについての記事を書いたときに、青空文庫版を発見したので読んでみました。
主人公の名前がフランス語発音の「サンドリヨン(Cendrillon)」になっていることを始め、僕の知っている話と違う部分がたくさんあって面白かったです。
一番驚いたのは、サンドリヨンが靴を落としたのが、2回目の舞踏会だったこと。
最初の夜に参加したときはきちんと12時15分前に帰っていたので笑いました。
また、全体を通して主人公の心が異常なほど清らか。
意地悪なきょうだいへの対応が優しくけなげで、妖女(魔法使い)が助けたくなるのも納得です。
ある意味ラッキーだったのは、そんな彼女に出会えた王子様の方だったのかも。
1日ひとつだけ、強くなる。(Kindle Unlimited)
「この人本当に人生一周目なのか?」と疑ってしまうくらい達観した言葉が並んでいて、ゲームの世界でトップに立ち続ける過酷さがにじみ出ていました。
僕がとくに見習いたいのは、次の2つ。
・目の前の勝ち負けより、自分の成長を優先する
・成長のハードルは低く保つ
たとえ少しずつでも、確実に成長を続けることが自信につながるというのはその通りですね。
梅原さんの強さの本質は、圧倒的な努力そのものより、それを支える揺るぎない自己肯定感にありそうです。
失敗図鑑(Kindle Unlimited)
一応子ども向けの本ではありますが、20代半ばの男が読んでも楽しめました。
全体的な傾向としては、他人に理解されなかったり、うまく協力を得られなかったりといった、人間関係の失敗が多め。
才能ある人も孤独に悩んでいたと知ると、急に親近感がわいてきます。
また、さすがに「図鑑」と銘打っているだけあって、素晴らしかったのが、その絵。
思わず応援したくなる人間味あふれる表情、僕は好きです。
ペンギン・ハイウェイ(Kindle Unlimited)
すべて主人公の一人称で書かれていて、かしこいながら幼さの残る、絶妙なかわいさの文章でした。
そこそこ年のいったおじさんが書いたなんて想像できない……(失礼)
ストーリーはファンタジックで、結末は科学的に説明がつくものではありませんでした。
僕は普通そういうラストは好きになれないのですが、この小説はそれでも許せるくらい、登場人物に魅力を感じました。
アオヤマ君もお姉さんも、いつかどこかで会ってみたいです。
さいごに
今月読んだ本は8冊で、2020年に入ってからブログに記録したものを合計すると14冊になります。2月は全く本の感想を書いていないこともあり、かなりスローペースですね。
100冊読破するには、あと9か月で86冊か……。
若干きつい気もしますが、一冊ずつ楽しみながらゆるゆると読み進めていきます。
※追記(2020/4/30)
4月分も本の感想を書きました。
↓
【2020年4月】今月読んだ本の感想まとめ。本屋も図書館もお休みなので、Kindleで読書。
関連記事:【比較】AmazonのAudible(オーディブル)とKindle Unlimitedはどっちがいい?それぞれのメリット・デメリットまとめ。
関連記事:世界の名作が勢ぞろい!Kindle Unlimitedで読める光文社古典新訳文庫おすすめランキング。