翻訳家の越前さんが書いた『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』を読みました。
ほとんど問題集なので、「読んだ」というより「解いた」といった方が正しいですね。
実際にすべての問題の訳をノートに書いて、答え合わせをしてみました。
挑発的なタイトルに負けるものかと、気合を入れてチャレンジしましたが、その結果は……。
屈辱の正答率3割
『日本人なら必ず誤訳する英文』には、越前さんが厳選した英文が全部で140題掲載されています。問題は難易度ごとに分かれており、
Part A(基礎編)100問
Part B(難問編)30問
Part C(超難問編)10問
という構成。
それぞれの英文には模範解答(訳例)とともに、どこに注意して訳すべきか、詳しい解説が書かれています。
さて、答え合わせの結果を正直に書くと、僕が自信をもって「正しく訳せた」と言える英文は、全体の約30%でした。
いやー、見事なまでの惨敗(泣)
誤訳どころか、ペンが全く動かない問題もあって悔しかったです。
個人的に苦手なのは、否定が含まれる英文。
仮定や比較が絡んでくると、どうしても混乱してしまいます。
まあ、この本のおかげで勘どころがつかめてきたので、次はスムーズに訳せるかな?
そして、手も足も出なかったのが、数学の問題。
日常的な英語と違って、単語の意味も言い回しも特殊で、思っていたより苦戦しました。
英語版の算数や数学の教科書は、一度くらい読んでみた方がいいかもしれませんね。
絶妙な英文チョイス
この本で素晴らしいのは、問題に使われている英文のチョイス。TOEICや受験英語では目にしないのに、小説など生の文章だと出てくるような、絶妙なラインの英文が選ばれています。
僕は並行して「ハリー・ポッター」の英語版を読んでいたのですが、実際に似たような構造の文に何度も遭遇しました。
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『日本人なら必ず誤訳する英文』で取り上げられている例文は、国際共通語としての英語というより、ネイティブが使う英語寄りな印象。
いわゆる「英語の考え方」が色濃く感じられました。
おそらく、こういう英文をスッと理解できるか否かが、「テストで点が取れる人」と本当に「英語ができる人」の分かれ目なんでしょうね。
前者から後者にレベルアップできるように、僕も日々精進します。
洋書はゆっくり読もう!
『日本人なら必ず誤訳する英文』をやってみて、洋書を読むときは、速さより理解度を重視すべきだと改めて思いました。というのも、僕の誤訳で多かったのが、ある英単語を毎回同じ日本語で無理やり訳して、意味が通らなくなってしまうパターン。
この手の間違いって、日ごろから辞書を引いて新しい情報を取り入れる機会を作らないと、たぶん永遠に治らないんですよね……。
たとえ知っている単語であっても、違和感を覚えたらスルーせずに立ち止まって、納得するまで意味を調べて考える。
多読はスピード感が大事だという意見もありますが、僕はゆっくり落ち着いて読む方針を採用します。
電子書籍でも読みやすい
僕はこの本をKindleで読んだのですが、電子書籍でも扱いやすい形式になっており、ストレスなく問題に取り組めました。一般の英語教材はKindle版だと固定レイアウトで不便なものが多いのに、『日本人なら必ず誤訳する英文』では辞書機能もハイライトも利用可能。
気になる単語をすぐにタップして調べられるので大助かりでした。
他の出版社さんも、英語教材を電子化するときは、ぜひ見習ってほしいです。
ちなみに、この記事を書いている時点では、『日本人なら必ず誤訳する英文』はAmazonのKindle Unlimitedで読み放題の対象になっています。
このシリーズにはあと何冊か、続編もあるみたい。
洋書や英語ニュースで力をつけて、次こそは一矢報いたいところです。
【Kindle Unlimited公式サイトはこちら】
さいごに
英語を日本語に訳す作業は普段あまりやっていなかったので、いい刺激になりました。他の国の言語と真剣に向き合うためには、母国語を介在させるのも悪くない手段ですね。
「英語は英語で」と固いことを言わず、たまには日本語に訳せるか試して、自分の理解が本物なのか確かめてみましょう!
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