Audible(オーディブル)の「リベラルアーツ入門」の教養編で、出口治明さんのインタビューを聴きました。
出口さんの文章は本や新聞のコラムで読んだことがありますが、声を聴くのは初めて。
含蓄に富んだ言葉の数々に、学長としての威厳を感じました。
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国際色豊かすぎるAPU
出口さんは立命館アジア太平洋大学(APU)の学長を務めておられる方です。APUには世界90もの国や地域から学生が集まっており、海外出身の学生の数は全体の半数である約3000人!
出口さんはその様子を「若い国連」と表現していて、言い得て妙だなと思いました。
APUは以前「YOUは何しに日本へ?」で見たことがありますが、志の高い学生ばかりで活気のある大学でした。
対談の中ではAPUの活動がいろいろと紹介されていて、とくに面白かったのが、「逆インターン」という仕組み。
企業の社員が2か月間APUで寮生活を送るというもので、下手に海外に行くより、ずっといい刺激になりそうです。
自分の周りの2人に1人が外国人の環境で過ごすのは、一体どんな気分なのか?
機会があれば僕も滞在して、国際的な視野を広げてみたいですね。
哲学と宗教全史
インタビューで取り上げられていたのが、出口さんの著書である、『哲学と宗教全史』。話を聞くと中身が気になるけれど、ボリュームがすごい……。
書き上げるのに3年かかったそうで、「教養の塊」とでも呼ぶべき一冊になっています。
「素人だから書けた」とおっしゃっていましたが、まあ、素人になせる業ではないですよ(笑)
『サピエンス全史』は音声だとストレスなく楽しめたので、こちらの「全史」もAudible版で聴いてみようと思います。
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教養は人生のレシピ
出口さんは人生における教養の大切さを料理の「レシピ」に例えて説明していました。どんな料理も最初は誰かのレシピを真似して作るのと同じく、よりよい人生を送りたいなら、まずは先人の知恵に学ぶべきである、と。
僕が考えるに、難しいのは、何を作るか事前に決まっている料理と違って、人生には明確な目的が存在しないこと。
自分の人生において、知識や思考を生かせる土壌を見つけることが、教養を身に付ける前提になるのではないでしょうか。
出口さんのように向上心を忘れず、年齢を「老い」ではなく「成長」に変えていけるような年の取り方ができたら理想です。
さいごに
出口さんの一文一文をゆっくり丁寧につなぐしゃべり方は、「紙兎ロペ」に出てくる「岩田のじいさん」を彷彿とさせます。積み重ねてきた歳月と思索が醸し出す、趣のある声ですね。
これからもぜひ長生きして、挑戦を続けていただきたいです。