食べる楽しみより生きる愉しみ。クローン病で食事について悩んだら思い出す言葉。

クローン病は面倒な病気だなとつくづく思います。

炎症が治まっても、狭くなった腸は自然には戻ってくれず。調子を崩さずに食べられる食事量が、いつまでたっても増えません。

たまに実験的にごはんの量を多くすると、後から腹痛や下痢に見舞われます。

事故などで手足を失うと元通りには生えてこないように、腸も一度構造が変わってしまうと、ずっとそのままなのかもしれません。

一応「難病」なので、治らない可能性については覚悟していますが、この先一生普通に食事ができないと想像すると、どうしてもつらくなります。


食べる楽しみより生きる愉しみ

食事について悩んだとき、僕はいつも「食べる楽しみより生きる愉しみ」という言葉を思い出します。

これは、毎日の食事を一杯の青汁だけで過ごす森美智代さんが、『食べない生き方』という本で語っていた考え方です。

一日に青汁一杯だけの生活は真似できませんが、「食べる」ことより「生きる」ことを意識する姿勢には感銘を受けました。

人生には食事以外にもたくさんの喜びがあることは、忘れてはならない事実です。
長くクローン病患者をやっていると、調子が悪くなるのをわかったうえで、アイスや菓子パンなど、絶対NGな食品に手が伸びそうになる瞬間があります。

そんなとき、心の中で「食べる楽しみより生きる愉しみ」を意識すると、なんとか直前で踏みとどまれます。

僕の経験上、病状を左右するのは、病院の治療よりも、自制心。

少食が重要なこととか、何を食べたらダメだとか、体調を保つポイントは、実は意外と単純で、結局はそれを守り抜く精神力が足りないだけなのです。

その食べ方は生きる愉しみを損なわないか?

一線を越えそうになったときは、一度立ち止まって考えるようにしています。


さいごに

自由に食事ができなくなってから、「何のために生きるのか」という問いが度々頭をよぎります。

仕事だったり、趣味だったり、家族だったり、みなさんにとっての「生きる愉しみ」は何でしょうか?

僕はまだ、ブログを書いたり本を読んだりと、いろいろ迷走しながら模索中です。