【2021年5月】今月読んだ本の感想まとめ。大人になっても勉強するのは向上心か、ただの惰性か?

【2021年5月】今月読んだ本の感想まとめ。大人になっても勉強するのは向上心か、ただの惰性か?


今年は例年より早く5月の中旬に梅雨入り。どんよりした天気で、洗濯物が外に干せない日が続きます。

そんなときは「晴耕雨読」の言葉通り、読書で気分を切り替えよう!

というわけで、今月も本の感想を書いていきます。


※補足
タイトルに「Kindle Unlimited」と付けているのは、AmazonのKindle Unlimitedを利用して読んだ本です。



読書記録(2021年5月)

描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方

ジャンプ本誌で宣伝されていて気になったので買ってみました。

漫画家志望ではないですが、なじみのジャンプ作家さんたちのインタビューは読んでいて楽しかったです。

みなさん共通していたのは、とにかくたくさん描いていることと、他の作品を自分なりに分析、研究していること。

漫画を描くには、手を動かす努力だけでなく、自分にとっての「面白い」を言語化する作業も大事だと感じました。

後半にはアナログ作画やデジタル作画の道具の使い方の解説もありましたが、僕にはついていけなかったです。


ちなみに、この本は本屋さんの絵の描き方コーナーに平積みされていて、すぐに発見することができました。

先月読んだ『小説家になって億を稼ごう』と一緒に購入したので、レジ係の人は「こいつ軸ブレブレだな……」と思ったかもしれません。




世界のニュースを日本人は何も知らない(Kindle Unlimited)

「ニュース」というより、アメリカや欧州各国のお国事情を紹介した本でした。

Amazonのレビューではだいぶ酷評されてましたが、そこまで偏った内容でもなかったです。

まあ、「こういう研究があります」みたいな話は、一部信憑性が怪しい部分がありましたが……。

それぞれの国の価値化や政治、経済の状況についての解説は、さすが海外での職務経験がある方だなと思いました。

僕は毎日英語の勉強を兼ねてCNNのニュースを聞いていますが、アメリカだけが「世界」ではないことは肝に銘じておくべきですね。


あと、2019年に出版された本なのに、すでに『ノマドランド』が取り上げられていたのには驚きました。

映画が作られる前から、読んでいる人は読んでいる……。

ニュースよりも本の存在を知らなかった方が悔しかったです。

ふしぎ駄菓子屋銭天堂(Kindle Unlimited)

本屋さんで平積みされまくっていた児童書。Kindle Unlimitedの対象になっていたので読んでみました。

昔アニメであった、怪しいおばさんが不思議な商品を売る話を思い出したのは僕だけでしょうか?(残念ながらタイトルは覚えてない)

『銭天堂』は、子ども向けの本にしてはブラックなところがあって、一応すべてハッピーエンドになっているものの、ぞくぞくする場面がありました。

とくに最後の『クッキングツリー』の落ちは、素直によかったね、で済ませていいものなのか……。ちょっぴり怖くて考えさせられる話です。

駄菓子屋のシステムとか、紅子さんの素性とか、この先の巻で設定が明かされていくのか気になります。

テレビの仕組み 白黒テレビから地上デジタル放送まで 

仕事でテレビに関する知識が必要になり、勉強のために買った一冊。

テレビ周りの技術について解説した本は新しいものが全然なくて、探すのにとても苦労しました。ようやくたどり着いたこのブルーバックスも、出版されたのは2011年です。

本当は紙の書籍が欲しかったのですが、本屋さんはもちろん、アマゾンや楽天、hontoなどのネット書店でも在庫切れ。結局Kindle版を購入しました。

最初、地元の図書館のホームページで調べたら「貸出可能」と書かれていて喜んでいたのですが、コロナによる緊急事態宣言の影響で、あいにくの休館中でした。ショック!


さて、肝心の内容はというと、10年前に執筆された本にしては、そこまで古さを感じず。

テレビは過去の機器と互換性があるように次の放送方式が作られるため、技術が進歩しても大枠のシステム自体は急には変化しないみたいです。

どうやって情報が伝達されて、テレビに映し出されているのか、白黒テレビからデジタル放送まで追っていくのは、なかなか楽しい体験でした。

僕が知りたかったデジタル信号を電波に乗せる方法は、PSKやQAMなど専門的な部分まで詳しく解説されていて、大変参考になりました。

願わくば、同じ著者に、4K放送など最新の技術についても盛り込んだ続編を出していただきたいです。

図解入門TCP/IP

10月に受ける予定の応用情報技術者試験に備え、知識を深めるために読みました。

「入門」という割にはレベルが高く、ネットワークについて全くの初心者には難しい内容だったと思います。

僕は基本情報技術者試験の資格を取得済み、かつ以前に『ネットワークがよくわかる教科書』を読んでいて、それでちょうどいいくらいの難易度でした。


ただ、情報量は多いものの、決して説明が難解なわけではなく、図がたくさん用いられており、わかりやすさは抜群。

個々のプロトコルや機器の動作について突っ込んだところまで書かれていて、ネットワークに関しては、この本を読み切ってだいぶ自信がつきました。

ある程度ネットワークの基礎を学んだあとの「2冊目」としては、超おすすめですね。

英語独習法

「スキーマ」という概念を用いて、語彙を基本とした英語学習の本質と実践方法が説かれていました。

やはり言語を学ぶ上では、一つ一つの単語を丁寧に押さえていく地道な作業は、避けては通れないんですよね。

単なる「多聴多読」に意味がないことは薄々感じていたけど、ビシッと指摘していただいてすっきりしました。

洋書を読むとき辞書を引きまくる僕のやり方もあながち間違いではなかった!


ただ、毎日ポケット英英辞典を読んでいる僕でも、さすがにコーパスまでは活用していませんでした。

有料のサービスには手が出ませんが、SkeLLなど無料で使える面白いツールも紹介されていたので、余裕があるときは単語の意味をより深く探求してみたいと思います。

第6章の「上級編」の内容が生かせるくらいのレベルになれたら楽しそうだなあ……。



鉛筆一本ではじめる人物の描き方(Kindle Unlimited)

以前にやった「ロジカルデッサンの技法」シリーズの人物編です。

前半は『線一本からはじめる伝わる絵の描き方』と内容がほぼかぶっていましたが、まだまだ「スラスラ」とは書けません(泣)

人物の絵は特にバランスが難しく、序盤のアタリの取り方で妥協を許すと、出来上がりがとてつもなく不自然になってしまいます。

きれいな円を描いたり、線を均等に分割したり、おそらく前提とされているであろう、基本的な技術が全く足りない……。

ロジカルデッサンだろうが、普通のデッサンだろうが、理論を頭に入れた後は、ひたすら修行あるのみですね。

たまに上手く描けたときの感動を糧に精進します。


さいごに

もう大人になって誰に強制されるわけでもないのに、気づくと勉強系の本ばかり読んでいます。

向上心といえば聞こえはいいけど、ほとんど惰性です。

「賢くなる必要ならとっくの昔に置いてきた」という、ゲスの極み乙女の『オトナチック』の歌詞が胸に突き刺さります。


※追記
6月分の感想も書きました。
 ↓