病名の変更は患者の体調に影響するんじゃないか説

発症してから7年くらい経ったころ、持病の診断が潰瘍性大腸炎からクローン病に変更された。当時は、病名が変わっても症状は変わらない、とそこまで重要視していなかった。

しかし今では、このような病名の変更は体調にも影響するのではないか、と思っている。病気の所見そのものは同じであっても、呼び方が変われば受け取る印象は大きく異なる。「病は気から」というように、病名から想起されるイメージが身体に及ぼす作用は無視できない。

たとえば、僕にとって「潰瘍性大腸炎」は赤色のイメージ。刺々しくて悪辣な、痛みの権化のような印象を受ける。一方で、「クローン病」のイメージカラーは緑色。難しくて厄介な病気の印象だ。

もうなんとなく察しはつくと思うが、僕は潰瘍性大腸炎よりクローン病の方が、病名として患者の体に優しいと考えている。実際、潰瘍性大腸炎のときは、病名を口にしたり文字として見たりするだけで、お腹の痛みが頭をよぎったのに、クローン病だとそれがない。結果的に、診断が変わったのは救いだった。

難病患者にとって病名は、繰り返し唱えられる呪文のようなものである。何度も何度も見聞きするうちに、その響きやイメージが体調に影響しても不思議ではない。

昔は、人の名前を病名にするなんておかしいんじゃないかと思っていた。しかし、直接的な表現を避けることで患者の心理的負担が軽減されるのだとすれば、病気に発見者の名前をつけるのは、意外と有意義な命名方法なのかもしれない。

たかが病名、されど病名。病気は患者にとってのアイデンティティーにもなりかねないものなのだから、名前にはもっと気をつかうべきだろう。


さいごに

潰瘍性大腸炎はUC、クローン病はCDというように、それぞれアルファベットの略称もある。

潰瘍性大腸炎は漢字を書くのが面倒なので、書類の申請時は簡易的な表記で許してほしい。


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