100カメ「青森ねぶた祭」を見た感想

NHKの「100カメ」で、青森のねぶた祭りを取り上げていた。

驚いたのは「ねぶた師」という職業が存在すること。依頼がなければ無収入という不安定さは派遣に通ずるものがある、なんて言ったら失礼か。年に一度のお祭りで生計が立つとは夢のある話である。

コロナで祭りがなかった2年間は一体どうしていたのだろう。番組では深掘りされていなかったが、相当苦労したに違いない。

ねぶた師とは対照的に、他のスタッフが全員無給のボランティアだというのもすごい。明確な区分けがなされているからこそ、責任感や信頼関係、憧れが生まれるのかもしれない。

祭り本番に関しては、博多山笠のような勢いのある山車運びを想像していたが、全然違った。観客に作品が見えるように左右に向きを変えたり、信号や街灯にぶつからないように慎重にねぶたを傾けたりしているのは新鮮だった。

昔は障害物もなくのびのび町を練り歩けたのだと思うと、ねぶたに大きく形作られた神様たちが、ちょっぴり狭苦しそうに見える。事前に道路を封鎖しての練習なんてできないだろうから、ねぶたを指揮する「扇子持ち」は大変なポジションだと思う。

ねぶた祭りでは、灯りにLEDが使われていたり、スポンサー企業の名前が作品の一部として組み込まれていたりと、随所に現代っぽさを感じた。

大事なものは残しつつ、時代と折り合いをつけていく。真の伝統のあり方とは、そういうものなのだろう。


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