早く知りたかった下降階乗冪。結城浩『数学ガール』を読んだ感想。

結城浩さんの『数学ガール』を読んでいます。

先に6巻目の『数学ガール ポアンカレ予想』を読んでしまったので、時間的には逆戻り。よく見ると1巻目の初版は2007年、6巻目は2018年。物語の中では3年弱ですが、現実世界では間に11年もの月日が流れてました。

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感想・レビュー

まだまだ知らない数学の世界

今回取り上げられていた下降階乗冪や母関数の概念は知らなかったので感動。数列の一般項を母関数を利用して求めていく過程は美しくて、数学の世界は奥深いなと思いました。高校の時に読んでたら、大学は数学科に進んだかもしれません。(割と本気でそんな気がする)

というか、こんなに便利な考え方があるなら、早く教えてほしかった!コンビネーションは普通の階乗より下降階乗冪を使って書いた方がすっきりしてわかりやすいです。

ミルカさんの愛、テトラちゃんの恋

前回読んだ6巻目に比べると、1巻目は恋愛要素をとても強く感じました。まさかミルカさんがこんなに感情を行動で示すキャラだったとは……。ミルカさんからは情熱的な「愛」、テトラちゃんからは甘酸っぱい「恋」の香りが漂ってきます。

かわいくて素直な後輩と才色兼備な同級生。読んでいるこちら側まで恥ずかしくなってしまうセリフは、まるで恋愛シミュレーションゲーム(やったことないけど)みたいです。

それでも、数学という軸が絶対ぶれないのが『数学ガール』の素晴らしいところ。僕は恋愛系の話は苦手ですが、このシリーズはすぐに数学の話(しかも本格的な)に戻ってくれる安心感があるので落ち着いて読めます。

ちなみに、テトラちゃん派かミルカさん派かでいうと、僕はテトラちゃんの方が好き。ミルカさんは洞察力がすごすぎて、僕の薄っぺらさが一瞬で見透かされそうです。