青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』を読みました。
ポプラ文庫の優しいフォントがぴったりな作品でした。
感想・レビュー
本の最初のページに表紙のイラストや写真を担当した人の名前が書いてあるのはよく見るが、羊毛フェルトを作った人の名前が書いてある本は初めて。作中で羊毛フェルトが出てくるたびに表紙を見返して「ああ、これか」と確認しながら読んだ。ふわふわした羊毛フェルトの質感が、作品の穏やかな雰囲気を象徴している。白々で大柄な女性が小さな羊毛フェルトをちくちく作っているのはなんだかジブリっぽい感じがした。物語は、悩みを抱えた登場人物が図書室で紹介された本をきっかけに自分なりの生きる道を見つけていくという、ハートウォーミングな内容。「そんなにうまくいくわけないだろ」と思いつつ、しっかり暖かい気持ちになった。各短編に主人公たちが他の話の端っこにちょっとずつ重なって登場する演出は好き。殺伐とした小説ばかり読んでいると心がすさんでくるので、たまにはこういう本もいいなと思う。
さいごに
ポプラ文庫は久しぶりで、紙の一枚一枚の厚みがかなりあるなと感じました。たぶん新潮文庫なら同じ厚さで400ページ以上はありますね。
かさばるけど、たくさん読んだと錯覚できる点ではこっちの方がいいのかもしれません。
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