英文を大量に読んで英語力を伸ばす「英語多読」では、辞書は不要だという意見があります。
一つ一つの単語の意味を苦労して調べるより、スピード感を大切にしようというわけです。
でも、それって本当に勉強のためになるのでしょうか?
僕はむしろ辞書を積極的に活用すべきだと思います。
意味が分からないとつまらない
実際やってみると、辞書を使わない方が、洋書はどんどん読み進められて快適です。難しい単語を飛ばしても、意外と話の展開はわかるもの。単にたくさん文章を読むだけなら、意味を調べないのもありかもしれません。
ただ、スムーズに読める反面、本が全然楽しめない!
物語のクライマックスやひねりの利いたジョークが理解できず、満足感が半減します。
例えるなら、ワサビの入ってないお寿司みたいな感じですね。インパクトがなくて、ぼんやりした印象です。
僕は昔このやり方で洋書を読んでいたのですが、どうしても飽きるんですよ。
たしかに、英語の大部分は、中学・高校レベルの単語で構成されているといわれます。
しかし、どの英文でも共通して使われる単語だけでは、独自性が出せません。
著者が本当に伝えたい肝心な部分は、使用頻度の少ない単語や言い回しで表現される場合が多いです。
辞書を全く引かずに洋書を読んでいると、そういった重要な英語表現を理解する機会が失われます。
挫折しないために辞書をやめたのに、英文を読むのが楽しくなくなって続かなくては本末転倒です。
言語はそんなに甘くない
「量をこなしていれば、そのうち難しい英語もわかるようになるのでは?」という人もいるかもしれません。たしかに、辞書で調べなくても、たくさんの文章に触れているうちに意味が理解できそうな気はします。
でも、言葉ってそんなに簡単に身につくのでしょうか?
みなさんが日本語を学んだときのことを思い出してみてください。
親に何度も意味を質問したり、辞書を引いたりしましたよね?学校では嫌になるほど漢字の書き取りをやらされたと思います。
どう考えても、ひたすらに文章を読んでいて上達したのではないはず。
普段接することの少ない外国語なら、より積極的に意味を調べるべきなのは明らかです。
辞書が面倒ならKindleで
ここまで、やや強引に辞書が必要な理由を書いてきました。ただ、やっぱり面倒なのは変わりません。
たとえ電子辞書であっても、毎回スペルを入力して意味を調べるのは、手間も時間もかかります。
そこで、僕がハマっているのが、Kindleで洋書を読むこと。
以前の記事でも書きましたが、Kindleでは単語をタップしただけで意味を調べられるだけでなく、ウィキペディアの検索結果まで表示してくれます。
その他にも、Word Wiseや単語帳など、英語学習に役立つ機能がいろいろ。
普段紙の本(ペーパーバック)でしか洋書を読まない人は、あまりの便利さに感動すると思います。
関連記事:【便利】Kindleで洋書を読む5つのメリット。Kindleは最強の英語学習ツールだ!
また、Kindleには無料で洋書をダウンロードできるAmazonClassicsというシリーズがあります。
意外と知られていませんが、英文を多読するにはぴったりですよ。
関連記事:Kindleがあれば無料でたくさん洋書が読める!AmazonClassicsは英文多読にぴったり。
「英語多読」を読みました
今回この記事を書いたのは、『英語多読』という本を読んだのがきっかけです。多読のやり方の中で、「辞書はいらない」と説明されていたのが気になって、僕なりの考えを述べてみました。
別に本の内容自体を批判したかったわけではないのでご理解ください。
僕は英語の勉強は好きなタイプなので、考え方が合わなかったのかもしれません。
海外の大学の講義を聴けるサイトが紹介されていて、そこは参考になりました。
さいごに
多読の一番の理想は、手間をかけて意味を調べてでも読みたいと思えるような、面白い作品を見つけることです。まあ、それがなかなか難しいんですけどね。
まだ見ぬ傑作との出会いを求めて、今日もページをめくります。