1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」と言いますが、自分が年を取るにつれて、逃げ去っていくスピードが速くなっている気がします。
満開の桜はもう散り始め、気温も上昇。
季節の移ろいを感じながら、今月も本の感想を書いていきます。
※補足
タイトルに「Kindle Unlimited」と付けているのは、AmazonのKindle Unlimitedを利用して読んだ本です。
読書記録(2021年3月)
半沢直樹1 オレたちバブル入行組(Kindle Unlimited)
ドラマがやけに流行った「半沢直樹」シリーズの原作の1巻目です。
僕はドラマは全く見ていなかったので、ようやく話の内容を知ることができました。
むかつく奴らに反撃していく展開は、確かに読んでいて痛快ですね。
ポイントだと思ったのは、主人公の半沢直樹が完全な「いい人」ではないところ。
クールにお金を回収するだけで終わらず、感情にまかせて言葉を並べ立てたり、自分の利益はきっちり主張したりする人間臭いところが世間の共感を呼んだのかもしれません。
ただ、口の悪さと謝罪へのこだわりには、僕はちょっと引きました。
そんなに土下座させる必要、ある?
小説の主人公としては頼もしい我の強さですが、友達にはなりたくないタイプです。
あと、気になっていた名台詞ですが、「倍返し」ではなくいきなり「十倍返し」になっていて、実際そのくらいのインパクトのある仕返しでした。
後半は相手の憔悴っぷりが悲惨で、半沢の方が悪役みたい……。
「半沢さん、もうその辺にしておいてあげたら?」と、心の中でつぶやきました。
この世界の片隅に(Kindle Unlimited)
この世界の片隅に(上) (アクションコミックス) [ こうの史代 ]
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戦時中に広島の呉に嫁いだ女性、すずの半生を描いた物語。
いわゆる「戦争もの」はあまり好きではありませんが、Kindle Unlimitedで上・中・下巻がすべて読み放題になっていたので一気読みしました。
覚悟していたほどの重々しさはなく、当時の人々にとっては戦時下における生活が日常だったのだなと思いました。
思わず見入ってしまったのが、すずの描いた絵の中に登場人物が入り込む演出。
こういう技法って、相当な画力がないとできないですよね。
コマ割りなど、他にもマンガとしての魅せ方の工夫がたくさんあって、作者の持つ熟練の技を感じました。
線一本からはじめる伝わる絵の描き方 ロジカルデッサンの技法(Kindle Unlimited)
今年は絵に挑戦しよう!ということで、さっそく入門書に取り組んでみました。
とりあえず一通りやり終えましたが、やっぱり絵は甘くないですね……。
簡単な形でもお手本と同じように描けなくて、自分の画力のなさを痛感。
本の表紙に「絵心がなくてもスラスラ描ける!」と書いてありますが、嘘でした(笑)
内容的には非常にわかりやすいけれど、本を参考にしながら自分で何度も練習しないと、「スラスラ」には手が届かないと思います。
ちなみに、僕はこの本をKindle Unlimitedを利用して読みましたが、Kindle Paperwhiteでもいちいち拡大することなく取り組めました。
元の書籍の大きさがちょうどいいのか、固定レイアウトにしては珍しく、Kindleで快適に読める一冊です。
Ready Player One(洋書)
スピルバーグ監督によって映画化もされた、アメリカのベストセラー。
日米のサブカルチャーが満載で、非常に楽しく読めました。
取り上げられているのは1980年代のアニメやゲームで、僕が生まれるよりかなり前に流行ったものですが、名前を知っている作品が出てくるだけでもテンションが上がります。
びっくりしたのは、映画と原作の違い。
謎解き部分が異なるとは聞いていたけれど、ストーリー展開そのものが別作品かと思うレベルでした。
とくに僕が驚いたのは以下の点です。
・個人プレー多過ぎ
・アルテミスが黒髪
・主要キャラに日本人が2人
個人的に、話の筋としては原作の方が好み。主人公が5年間もの間、弱小アバターのままエッグ探しを頑張っていたところに感動しました。
ただ、映画でもオアシスの世界観は見事に再現されていて、先に映像を見て頭の中でイメージが固まっていたからこそ、小説の文章をスムーズに追えた気がします。
原作では映画だと省略されている設定が細かく書かれているので、映画が気に入った人にはぜひ読んでみてほしいです。
さいごに
最近は家族のことや応用情報処理の勉強でバタバタしていて、読書の時間が急に少なくなってしまいました。
といっても、普通の社会人に比べたら、まだまだ暇な部類なのですが……。
忙しく何かに打ち込む日々にも憧れるけれど、心のゆとりも大切に!
※追記
4月分の感想も書きました。
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