【2020年9月】今月読んだ本の感想まとめ。ネットの仕組みも『歎異抄』の正体も、読書で謎が解けてゆく。

【2020年9月】今月読んだ本の感想まとめ。ネットの仕組みも『歎異抄』の正体も読書で謎が解けてゆく。


9月に入ってから、朝晩は気温が下がり、日中も過ごしやすくなりました。

本を読むのも、散歩をするのも、このくらいの気候がちょうどいいですね。

「読書の秋」にはまだちょっと早いですが、今月も本の感想を書きます。


※補足
タイトルに「Kindle Unlimited」と付けているのは、AmazonのKindle Unlimitedを利用して読んだ本です。



読書記録(2020年9月)

藤原和博の必ず食える1%の人になる方法(Kindle Unlimited)

キングコングの西野さんが『魔法のコンパス』の中で紹介していた一冊です。

やたらに絶賛していたので気になっていました。


この本での「1%の人になる方法」とは、自分のタイプに応じて、2択の条件を7つクリアするというもの。

1/2を7乗すると1/128なのでほぼ100人に1人、というかなり無理やりな理屈ですが、発想は面白いですね。

タイプは価値観によって、「社長タイプ(A)」、「自営業タイプ(B)」、「公務員タイプ(C)」、「研究者タイプ(D)」の4つ。

僕は人付き合いが絶望的に苦手なので、目指すならBかDかな?

専門分野や好きなものを見つけないと、この先やっていけないなと、強い危機感を覚えました。

とりあえず、全タイプ共通の3つの条件は楽勝でクリアできていたので一安心です。

Harry Potter and the Chamber of Secrets(Kindle Unlimited)

「ハリー・ポッター」シリーズの英語版の第2巻。

1巻目に比べて魔法の呪文がたくさん出てきて楽しかったです。

感想は長くなったので、別の記事に独立して書きました。




ハリー・ポッターは1巻で1年分物語が進むので、立て続けに何冊も読むと時間感覚が狂いそう。

次の『Harry Potter and the Prisoner of Azkaban』は少し間を置いてから手を付けようと思います。



アカマイ 知られざるインターネットの巨人(Kindle Unlimited)

みなさんは「アカマイ」という企業をご存知でしょうか?

僕はこの本の表紙を目にするまで、名前すら聞いたことがありませんでした。

帯のコピーに惹かれて読んでみたらすごい会社で、知名度の低さとのギャップに驚きました。


「アカマイ」は、ネット上に流れる動画やウェブサイトなどの情報を「運ぶ」のが主な仕事。

この本ではアカマイの事業内容がインターネットの仕組みとともに解説されていて、非常に勉強になりました。

中でも興味深かったのは、お金の話。

ネットが「つながる」過程において、どんな企業がどこで利益を上げているのかがわかり、インターネットという巨大なシステムが人間的で身近な存在に感じられました。

あなたがこのブログを読めているのも、ひょっとしたらアカマイのおかげかもしれません。

歎異抄 (光文社古典新訳文庫) 

我が家で購読している新聞には、かなりの頻度で『歎異抄をひらく』の広告が載っています。

「無人島に一冊だけ本を持っていくなら『歎異抄』だ」という司馬遼太郎の言葉に触発された70歳男性のコメントが印象的なやつです。

毎回「司馬さんからの直接コメントじゃないのかよ!」とツッコミを入れつつ、『歎異抄』自体はどんな書物なのかずっと疑問でした。


『歎異抄』の正体は、浄土真宗の開祖である親鸞の教えを、弟子の唯円がまとめたもの。

後半部分で、唯円が親鸞の本来の教えと「異」なる考え方をしている人々を「歎(なげ)」いているので、「歎異抄」というわけです。

構成や成り立ちには諸説あり、解釈の仕方は研究者によってだいぶ違うみたいです。


親鸞が伝えているのは、自分で努力をしなくても、阿弥陀如来を信じて念仏を唱えさえすれば救われるという、「他力本願」の思想。

あまりにも全力で「ひとまかせ」を推してくるので圧倒されました。

有名な言葉に「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」がありますが、悪人の方が往生しやすいのは、善人ほど自力でどうにかしようという余計な「自分たのみ」の心があるから。

修行や善行より一途に信じる気持ちを大切にするのは、ある意味、宗教そのものの本質なのかなと思います。


ちなみに、光文社古典新訳文庫版では、唯円が学のない庶民向けに書いたという背景を踏まえ、訳がこてこての関西弁。

ぶっちゃけ標準語の方が読みやすい気はしますが、たしかに臨場感がありました。

この光文社のシリーズは、既存の訳とらわれず「新訳」を追求しているのが面白いですね。

ただ、解説によると、翻訳者の川村さんにとって、関西弁は「非母語」だそう。そこに関しては、なんでやねん!



ネットワークがよくわかる教科書

割と本格的なネットワークの入門書。

パケットの構造から、セキュリティ、無線LANのことまで、幅広い内容がカバーされています。

僕は基本情報技術者の資格を持っているのですが、この本のおかげで断片的だった知識をきちんと整理できました。

スラスラ読めるのにちゃんと詳しい、これからネットを学びたい人にはおすすめの良著です。


とくに助かったのが、インターネット層やトランスポート層といった、階層モデルについて。

非常にわかりやすい解説で、今まで意味不明だった部分がやっと腑に落ちました。

また、公開鍵暗号方式などの暗号化に関しても丁寧に書かれていて、疑問が解消。

セキュリティってこんな仕組みだったのかと、地味に感動しています。

「アカマイ」の本と並行して読んだことで、ネットワークへの理解が急速に深まりました。

池上彰の世界の見方 東南アジア(Audible)

先々月に「中国・香港・台湾」、先月は「ロシア」ときて、今月はAudible版の「東南アジア」編を聴いてみました。

僕の中で東南アジアは比較的平穏なイメージだったのですが、実際には至るところで独裁や虐殺が起こっていてびっくり。

平和な日本に生まれてよかったなと、改めて思いました。


とりわけ衝撃的だったのは、カンボジアでの知識人狩り。

よく「カンボジアに学校を建てよう」という話を耳にするけど、教える先生もいなかったのか……。

単なる貧困ではなく、国の発展に必要不可欠である優秀な人材が、みな殺されてしまっているとは悲惨です。


毎回「世界の見方」シリーズを聴いていて感じるのは、歴史は現在進行形だということ。

教科書に載っているような出来事でも、決して切り離された過去ではなく、今もまだ尾を引いているものばかり。

世界は成熟なんてしておらず、醜い対立や暴力は根強く残ったままなのだと再認識させられます。



英語日記BOY

これまで何度か英語で日記を書こうとしては挫折してきたので、継続のヒントが得られればと思って読みました。

新井さんの「英語日記」は、将来自分が使うであろう英語を、毎日一文ずつ確実に押さえていくというやり方。

ただ日記を「書く」のが目的ではなく、それを題材にして、咄嗟に口から出せる語彙を増やしていくための、極めて実践的な学習法でした。

正直、英語の4技能の中で「話す」の重要度が一番低い僕にとっては、あまり向いてないかもしれませんね。

海外に行ってまで叶えたい夢、持ってない(泣)


新井さんが常人離れしているのは、英語うんぬんというより、海外で自力で仕事を取ってこれるバイタリティ。

ほぼ同い年なのに、音楽とかデザインとか、人生における熱量が違います。

新井さんはインスタで毎日イラスト付きの英語日記をアップしているそうなので、僕もブログで何か企画に挑戦してみようかな。

人工知能は人間を超えるか(Kindle Unlimited)

今流行りの人工知能(AI)について、技術の実態や将来性を研究者の視点から論じた本です。

AIの進歩の歴史が具体例とともに書かれていて、一口に「人工知能」と言ってもさまざまなレベルが存在することが分かりました。

やはり宇宙開発やゲノム編集などと同じく、イメージと現実の間には結構な乖離がありますね。

科学分野では、研究費を獲得するためか、総じて話を盛り過ぎ。

メディアも企業も研究者も、誤解を招かないよう、宣伝の仕方はしっかり考えてほしいです。


さて、著者が「人工知能が人間を超える」ための鍵として注目していた「ディープラーニング」ですが、僕の肌感覚では、この本が出版されてから5年が経った今も、革新的な進展はないように思います。

たしかにグーグル翻訳や音声アシスタントはすごいけど、扱える情報量と処理能力が向上しただけで、言葉の「意味」を理解するのとはベクトルがずれてますよね。

人間に近づいたというより、機械としての強みがより一層研ぎ澄まされた印象です。

著者が示していたロードマップで考えても、まだ6つの段階のうち2つ目の課題も未達成。

AIが人間と同じように思考するのは、ずいぶん先のことになりそうです。


ちなみに、この本が書かれたのは2014年ですが、技術的な内容にもかかわらず、全然古さを感じませんでした。

人工知能研究者の先見性、おそるべし。


さいごに

Kindle Unlimitedの対象作品は月末に入れ替わることが多いので、毎月、月の終わりになると、どの本を削除してどの本を残すべきか悩みます。

同時に10冊までしかダウンロードできないのがもどかしい……。

15冊くらいには増やしてもいいと思うのですが、Amazonさん、いかがでしょう?